>>743続き
昔々の城下街、その郊外の農家で父親が豚を(これは本当の豚を)潰しました。
それを三兄妹が見ていました。
昼過ぎになって、子供たちで遊ぼうということになり、兄のしゅしゅが弟悪魔に言いました。
「おまえは豚になれ。ぼくがお父さんになるから」それから抜き身のナイフを取ると、それを弟の喉に刺しました。弟は豚のように暴れ回って、そして死にました。
ところで母親は浴室に居て、赤ん坊の妹聖書にお湯を浴びせていましたが、家具の倒れる音を聞いて慌てて居間に戻りました。
そして悪魔の死体を見ると、母親は怒りの余りにしゅしゅの手からナイフを抜き取って兄の心臓を貫きました。
それからすぐに浴室に戻ると、聖書がお湯に溺れて死んでいました。
絶望した母親は首を吊って死にました。
改行改行、父親が畑から戻ると、みんな死んでいました。
父親はいつか見た恍惚の表情で家族の心臓を抉り取りました。