匿名民のCPを勝手に作るスレpart13

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559:匿名の腐女子:2016/08/18(木) 11:12

どっかの村で悪魔が「陽炎頭良いから一緒にいると劣等感抱く」的な発言をして、陽炎が「友達だから劣等感抱かないでほしい」と独り言で返したのを見て短編熱ボワッ
色々捏造気味






無意識に陽炎を避けるようになったのは何時からだったろう。
読みかけの漫画をベッドに放り投げてグッとひとつ伸びをする。好きな漫画の新刊、なのにちっとも内容が頭に入って来ないのは、ひとえに陽炎の活躍が頭の中を占めているせいだ。昨日の人狼ゲームは陽炎のおかげで村人が何度も何度も勝利した。並外れた勘の鋭さを持つ陽炎が、村を勝利に導き続けた。そして片や自分は、一介の村人または狐として、ただただ路傍の石よろしくその過程を見守ることしか出来なかったのである。
臆することなく発言する陽炎の姿は、眩しかった。
「……はあ」
考え込めば込むほど今日中にタールのようなドロドロしたどす黒い物が溜まっていくような気がして、ため息でせめて少しでもそれを紛らわそうとする。そうしてベッドにうつ伏せになって、枕に顔を埋めた。
大切な友達だ。そばにいたい友達だ。自慢の友達だ。
でも、時々釣り合わない気がするのだ。自分が陽炎の側に立つ資格はほんとうに、あるのだろうか。
込み上がってくる悲哀、そして嫉妬を払い除けるようもう一度深呼吸しようとした。
と、頭の上に手が乗せられた。反射的に顔を上げる。
「!?……か、カゲロウ…」
今最も脳裏でちらつく顔が目の前に。一体どうやって家の中に入ってきたのだろうと考えた矢先、陽炎の手に握られた細い針金状の物が目に入る。成る程ピッキングか、確かに陽炎ならそれくらいのことは余裕でやってのけそうだ。なんて自分を納得させ、「勝手に入んなよ」とひくつく笑顔を作って言った。今の心情じゃあとてもじゃないが、自然な笑顔なんて作れないからだ。
陽炎は無言だった。無造作に伸びた前髪の隙間から覗く目はいつも通り冷たかった。そしてこんな様子は通常であるゆえ、悪魔は完全に油断していたのである。
グイと髪を引っ張られて頭が前に傾き、そのまま唇が陽炎の唇とぶつかり合った。
「ーーー…っ!?」
唐突のことで理解が追いつかない。唇が切れたのか甘美かつ鉄臭い味が口内に広がる。押し退けようにもうつ伏せから頭だけを上げた姿勢だからどうにもできない。掴まれた髪が頭皮を引っ張りあげて痛みを通り超して痺れる。息が苦しい。心臓がうるさい。
やっと陽炎に解放された頃、悪魔は酸欠で顔が少し青くなっていた。やや失神しかけたせいで焦点の合わない瞳を震わせながらベッドに脱力したように倒れ込んだ。右手では掴まれた髪を2、3度撫で、やがてまた最初の枕に顔を埋めた姿勢に戻るのだった。
頭上から陽炎の声がする。
「次そんなふざけたこと考えたら、今度こそ殺す」
ふざけたことってなんだろう。
「は?劣等感云々のことな。伝われよカス」
なんで頭の中で考えてることが読み取れるんだよ。
「当ててみろ」
天才だから?それともエスパーだから?
そこまで考えたところでまた髪を掴まれた。無理矢理顔を上げさせられれば、陽炎らしからぬ必死な顔が目に飛び込んだ。何かに耐えるような、痛々しく顰められた顔だった。
「お前だからだ、クソ野郎」
声の響きだけ残して、陽炎は振り返ることなく部屋から出て行った。
そこは友達だからとかじゃないんだな、とか、そもそも友達ならキスはしないな、とか。
まとまりのない思考がまだ働きが不十分な頭の中を縦横無尽に駆け巡るので、悪魔はとりあえず寝よう、と改めて枕に顔を埋めたのであった。
自身の顔の熱さを気付かないふりして。


匿名の腐女子:2016/08/18(木) 11:42 [返信]

ガタガタガタガタ(歓喜)


匿名の腐女子:2016/08/18(木) 12:33 [返信]

(悶死)


匿名の腐女子:2016/08/18(木) 12:42 [返信]

>>559で誤字がありました…><;
「今日中にタールのような」ではなく「胸中にタールのような」です。お姉様方にもらえて嬉しい><ケンカップル最高やで


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