メモにあったしゅしゅ悪魔?っぽいの、投下したかどうか覚えてないのでとりあえず貼っときます
CP受けを要素薄め
そうだ、悪魔には身代わりになってもらおう。
惨劇の夜が幕を開けた最初の夜、遠吠えでやりとりしながらそんなことを頭の片隅で考えた。
『もしあなたが黒出しされたら、その時は迷わず切り捨てますので』
すこし冗談めかしにそう伝えるとすぐに返事はきた。
『ええwwwwしゅしゅたんひどいwwww』
『まあいいけどさwwww』
相変わらず雑草の蔓延った喋り方だが、了承は本物だろう。空けていく夜に合わせて、隣の家に住む初日さんを噛み殺した。
「悪魔さん黒。吊ってください」
おそらく本物である占い師が朝一に悪魔を指差して堂々と言い放つ。皆の緊迫した視線が一斉に彼に突き刺さり、しかし彼は相変わらずヘラヘラした笑顔を浮かべていた。そして一瞬だけ僕と視線を交わした。
切り捨てろ。
そう読み取れた。
やがて投票時間がせまってきたところで、彼は最後に真剣な顔で僕に有利な嘘を残していったのであった。
「俺は狩人だから、そいつは偽占い確定だぞwww」
相変わらず草が生えている。
絞首台にぶらり。
狩人がいないことを賭けて占いを噛み殺して自分は霊能を騙り続け、とうとう最後の日がやってきた。
「おはようございます。〇〇さん白でした」
いけしゃあしゃあと嘘が口から流れ出る。しかし疑われている可能性は高かろう。狂人もいない今、PPも望めない。生き残っている二人の村人は緊張した顔持ちでそれぞれ見合わせ、最後に同時に僕に視線を止めた。
やはり。
「しゅしゅたん霊能騙り?」
なんて可愛い質問をする。場の状況からみて狼は僕しかしないのに。
ここまで村人が愚直に僕を信じてくれたのも、全ては悪魔の一言で占いに対しての疑惑が起こったから。
全ては、彼のおかげだった。
……あれ、なんですこし胸が痛いんだろうか。
人狼の勝利のために悪魔は犠牲になり、今の僕の役割はなんとか村人を騙して吊られないようにすることだ。余計なことを考える時間はない。さあ言わなきゃ、自分は霊能で間違えない、そして△△さんが怪しいと。なんとか疑惑を逸らさなければ。
『しゅしゅたんwwww』
声が蘇る。
何が面白いのかいつも楽しそうにしている悪魔の声が胸に突き刺さる。
僕は彼を犠牲にしてまで生きたかったのだろうか。
「……ばれてしまいましたか。そうです、僕が狼です(^q^)<がおー」
「!!」
「やっぱり…しゅしゅたん吊りで」
勝利を確信して喜び合う村人たちを眺めながら口角が上がった。
あの世であいつと会えるならそれも悪くない。どんな反応をするのだろうか。最後に抵抗らしい抵抗もしなかったことを咎めるのだろうか。そして再開できたことを喜ぶのだろうか。
もっとも、僕があいつとまた会うために吊られに行ったと知ったらきっとあいつは調子付くだろうから、このことは黙っておこう。
絞首台にぶらり。
好き
>>235のまともな人がいない感と最後まで言わせてもらえない月に草ですわ
>>238の(生死的な意味で)報われない感が好きですわ。しゅしゅたんと悪魔は本当至高
以前も拝読させていただきましたがやはり一番好きなお話ですわ。最後の一行も堪りませんの
>>238の挿絵描いて頂けました(><)!!!
ひたすら凄い(すごい)
http://ha10.net/up/data/img/12753.jpg