CP要素が薄いかもしれません…
一応夢売り悪魔を目指しました…!
夢売り商人設定で
「ふぅ、そろそろ店を閉めるか…」
日はとうに沈み、商店街の人通りもまばらになってきた。
品物もほぼ売れてしまっているのでもう閉めてもよさそうと判断し、店仕舞いの用意にかかる。
旅商人である俺は1週間程で町を移動する。町から町へ、まだ見ぬ町、まだ見ぬ出会いを求めて。
この町にいるのも明日で最後な訳だが…。
「やっほ、商人さん♪」
あぁ、今日もきた。
店を仕舞うときに必ず来るこの赤毛の変人。
この町に来てから毎日のようにくる。
で、
「なぁなぁお前明日で最後でしょ?今日6日目だろ?もーちょっと居ようと思わねーの?」
ウザ絡みしてくる。
「俺は明日の店を閉めてから町を出る。今までもそうしてきた。」
「ふ〜ん…」
目の前の男の顔が曇った。
「…?どうかしたのか?」
「…俺さ、外の街ってもんを見てみたいんだよね」
「出た事ないのか?この町から」
暗い顔で、そいつはこくりと頷いた。
「出た事ない…っていうか、出られないんだよね、俺」
「出られない…?」
厳しい家なのだろうか。
何でか尋ねようとした時。
「あー、ごめん!俺そろそろ帰るわ!じゃあね、商人さん!」
手をヒラヒラと振り、そいつは駆けていった。
******
「商人さん、やっほーぅ!」
店を畳む商人に声をかける。
聞けばこの人は今日でいなくなるらしい。
町から町へと渡り歩く旅商人なのだそうだ。
この人も無理かな。まぁ、俺の正体を知らないだけまだいい方か。
「どーぅ?この町いいとこだったでしょ?またいつでも遊びに来なよ!俺待って…」
ぐい、と腕を引っ張られた。
「お前の事は全部知ってるよ、悪魔」
喉が閉まるような、息が出来ないような感覚がした。
同時に、嫌な汗が体を流れる。
「は…え…?」
「町の人からお前の事について聞いた。お前、悪魔なんだろう?その手首についてるリングのせいで結界を通れないんだってな」
だめだ、この人は全部知ってる。
俺の正体を知っちゃってるんだ。
また拷問受けんのかな。死にゃしないけども。
ほら、奥から金槌持ってきた。きっと俺の体をあれで…。
「動くなよ」
腕を固定された俺に向かって、金槌を構えた商人さんが言った。
槌が下りてくる。咄嗟に目を瞑った。
ボキッ。
音はした。けれど、痛みはない。
恐る恐る目を開けると。
「あ…」
忌々しいリングが、いや、リングだったものが粉々に砕け散っていた。原型なんてないほどに。
「お前、今すぐ荷造りしてこい」
「は?」
「言ったよな、外の街を見てみたい、って。俺と一緒に行かないか?一緒に世界を見に行こう」
手を差し伸べられた。
今までこんな優しさを向けられた事なんてなかった。
悪魔というだけで人々は忌み嫌い、町に閉じ込め、正体知った旅人達は皆掌を返す。
だけど、この人は違う。
俺に手を伸べてくれた。
俺を連れ出そうとしてくれた。
そんなの。
「…おう!」
その手を取るしか、ないじゃないか。
素敵
いいわねっっ(><)
すごいまともな人は本当にいないと思うんだぁ……
>>387 今死にました 萌え死にました
元祖(?)リア狂組って誰だっけ