しゅしゅ寡黙
(ハーレム大帝国の設定使いました)
しゅしゅたんはいつだって愛されている。
「しゅしゅたん、今日どっか遊びに行こうぜ!」
「しゅしゅ殿、近くで素敵な喫茶店を見つけたのですが一緒に行きませんか?」
「しゅしゅたんさんゲームしようゲーム(*^◯^*)」
「せ、僭越ながらしゅしゅたんをお茶に誘いたいのですが構いませんのでしょうか…」
「しゅしゅたん待ってくれ待って、どうか僕と一緒におおかみをころしにいこうああ行こう」
今日も今日とて自分を慕う者たちに追いかけられているようだ。メンバーが取り囲む中心に、しゅしゅたんはちょっと困ったように手を振りながら誘いを一つ一つ丁寧に断っていた。いやはや、人気者というのは本当に大変だなと、俺は宮殿の柱に寄りかかったまま遠巻きにそれを見ている。
この国では、しゅしゅたんと眠れぬが王を務めて政治を執り行っていた。そして二人とも大層なハーレムを持っている(ただしどちらも本人が望んだ者では無く不可抗力で)。そのせいか、いつしか国の名は「ハーレム大帝国」というなんとも面白可笑しいものになっていた。きっとこれも二人の意向によるものではないだろうが。
俺、寡黙は、そんなハーレム大帝国に旅で訪れた歴史研究家だった。
「か、寡黙さん……おはようございます」
「おうしゅしゅたん、今日も大変だな」
やっと全員を落ち着かせられたようで、しゅしゅたんが朝だというのにボロボロの姿で俺のそばに寄ってきた。とても疲れ切った表情をしている。今日は国の蔵書を見せてもらえる約束をしていて、俺がここにやってきてからかねてより何度もお願いしてやっと許しが出たのだ。あのまましゅしゅたんが奴らに流されてどっかに行くのではないかと心配していたが、しっかり者の彼のことだ、違約はやはりしなかった。
「こちらが僕の書庫です。本来ならば僕と眠れぬさんと司書の聖書さんしか閲覧を許されていませんが、僕は寡黙さんを信頼していますので」
案内された先は宮殿の地下にある巨大な一室だった。綺麗に整理整頓され、床は磨かれており、地下だというのに息苦しさを感じさせない広々と明るい造りになっている。立ち並ぶ本棚の中身に思いを馳せながら、そう語りかけてきたしゅしゅたんを見つめた。彼の「信頼していますので」というセリフがなんだかむず痒くて、視線だけで「ありがとう」と返した。
>>416-417
素敵です〜、書庫行きたい……
宿題する原動力になりますわ( ˘ω˘ )
>>416-417と>>422-423好き好き大好き
聖書さん来ないの普通に寂しいよ…