匿名民のCPを勝手に作るスレpart14

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1:匿名の腐女子:2016/08/20(土) 18:48

かつて匿名板で名を轟かせた宣伝やしこしこあっさん、そして今現在人気急上昇中の人狼スレのみんなを 匿名民のみんなで CPを作っていこう。 なお本人の登場はやめてくださいね!ややこしくなるので

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暇がある方は随時更新お願いします!
ただし更新前は混乱を避けるために一言お願いしますね!

416:匿名の腐女子:2016/08/30(火) 11:15

しゅしゅ寡黙
(ハーレム大帝国の設定使いました)



しゅしゅたんはいつだって愛されている。

「しゅしゅたん、今日どっか遊びに行こうぜ!」
「しゅしゅ殿、近くで素敵な喫茶店を見つけたのですが一緒に行きませんか?」
「しゅしゅたんさんゲームしようゲーム(*^◯^*)」
「せ、僭越ながらしゅしゅたんをお茶に誘いたいのですが構いませんのでしょうか…」
「しゅしゅたん待ってくれ待って、どうか僕と一緒におおかみをころしにいこうああ行こう」

今日も今日とて自分を慕う者たちに追いかけられているようだ。メンバーが取り囲む中心に、しゅしゅたんはちょっと困ったように手を振りながら誘いを一つ一つ丁寧に断っていた。いやはや、人気者というのは本当に大変だなと、俺は宮殿の柱に寄りかかったまま遠巻きにそれを見ている。

この国では、しゅしゅたんと眠れぬが王を務めて政治を執り行っていた。そして二人とも大層なハーレムを持っている(ただしどちらも本人が望んだ者では無く不可抗力で)。そのせいか、いつしか国の名は「ハーレム大帝国」というなんとも面白可笑しいものになっていた。きっとこれも二人の意向によるものではないだろうが。

俺、寡黙は、そんなハーレム大帝国に旅で訪れた歴史研究家だった。

「か、寡黙さん……おはようございます」
「おうしゅしゅたん、今日も大変だな」

やっと全員を落ち着かせられたようで、しゅしゅたんが朝だというのにボロボロの姿で俺のそばに寄ってきた。とても疲れ切った表情をしている。今日は国の蔵書を見せてもらえる約束をしていて、俺がここにやってきてからかねてより何度もお願いしてやっと許しが出たのだ。あのまましゅしゅたんが奴らに流されてどっかに行くのではないかと心配していたが、しっかり者の彼のことだ、違約はやはりしなかった。

「こちらが僕の書庫です。本来ならば僕と眠れぬさんと司書の聖書さんしか閲覧を許されていませんが、僕は寡黙さんを信頼していますので」

案内された先は宮殿の地下にある巨大な一室だった。綺麗に整理整頓され、床は磨かれており、地下だというのに息苦しさを感じさせない広々と明るい造りになっている。立ち並ぶ本棚の中身に思いを馳せながら、そう語りかけてきたしゅしゅたんを見つめた。彼の「信頼していますので」というセリフがなんだかむず痒くて、視線だけで「ありがとう」と返した。

417:匿名の腐女子 hoge:2016/08/30(火) 11:15

どのくらい経ったのだろう。
興味関心を持った本を片っ端から書庫のテーブルに山積みにし、しゅしゅたんには失礼だがひたすら熱心に読み耽っていた。ついに目の前がチカチカとして限界を訴えてきたので、今開いている本にしおりを挟んで優しく閉じる。表紙の字がぼやけて読めないが、この国の貿易について事細かく記されてあった。中々に興味深い内容だ。
顔を上げてまず首をゆっくり何度か回し、次に腕を頭上に伸ばしてグッと伸びをした。凝り固まった体からはバキバキと枯れ木を折るような音がした。さすがに夢中になり過ぎていたのかもしれない。

一息ついてようやく前に視線を向けると、しゅしゅたんがなんと向かい側に座っていた。手には読みかけの本が広がっているが、彼も俺に付き合ってずっと本を読んでいたのだろうか。そして彼は俺に倣って手元の本を閉じた。

「面白かったですか?」

心地よい落ち着いた声は広い書庫によく響く。

「ああ、こんなに満足したのは久しぶりだ」
「それはよかったです。明日も来ますか?」
「許してくれるのなら、ぜひ」

そう言いつつ、きっと許してくれるとは思ったが。何故だかわからないが、しゅしゅたんは俺のことを気に入っているらしかった。
そして予想通り、彼は頷いてすぐに許可をくれた。「まだ読んでいない本はそのまま積んでいて大丈夫ですよ」と言ったので、好意に甘えて読み終えた本だけ一通り元の位置にちゃんと戻した。

さて上に戻ろう。扉は重く頑丈だ、せめてもの礼としてしゅしゅたんが通りやすいよう先に行って開けておこう。
そう思って、しゅしゅたんには何も言わずさっと先をいって扉に手をかけた、その時、突然誰かの温かな息が首筋にかかる。反射的に振り返ろうとして両側から伸びる腕にぶつかった。目を白黒させながら腕から上にどんどん視線を動かし、やがて彼の顔に辿り着く。しゅしゅたんだ。

何故自分はしゅしゅたんにいわゆる「壁ドン」をされているのだろうか。

これをされているのがハーレムの奴らだったらきっと喜ぶか照れるかするだろうが、俺はしゅしゅたんを友人としてしか見ていない。だから今は戸惑うばかりで…………

戸惑う……………

あれ、なんで心臓がこんなにうるさいんだ。

「寡黙さん」

乾いた声で彼が呼びかける。
ひどく切なそうで何かを渇望している声色だ。
情に疎い俺でも一瞬にしてそれが理解できたのは、きっと俺も同じものを望んでいたからなのかもしれない。そして心臓がうるさいのは、今初めてこの想いに気付いてしまったからなのかもしれない。

しゅしゅたんのハーレムの面子を思い出す。初めて見た時は、たかが人間一人に何を執着しているのだと鼻で笑った。なのに今になって、気が付けば自分もまたそのうちの一人になってしまっていたらしい。

「寡黙さん、好きです」

柔らかく蕩けそうな声はまるで温泉のようで、浸かった者を極楽へと誘う。

なんてことだ。
いつの間にか俺も術中にハマっていたようだ。


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