しゅしゅ→←希望
背筋から這い上がる寒気が、僕の口にまるでせっせと氷を詰めるかのように入り込んでくる。特に抗わず成されるがままにしているのは良かれと思ったからだ。こうでもしなければ、ついポロリとこぼしてしまいそうになる。
『ツッコミさんが人狼である』と。
ポケットの中に手を入れたまま、その奥の水晶玉を手慰みに掴み、撫でた。
つい寝坊してしまったのだ。本来ならば朝一番に彼が黒であると指摘しなくてはいけなかった。初日に人狼を占うことができた浮かれがもたらした、あまりにも阿呆な結果であった。
そして、僕が来た頃にはすでにツッコミさんが占いを騙り、社長さんに黒を出していた。今から僕が占いであると名乗り出たところで、疑ってくださいと言っているようなもんだ。
「ツッコミ黒確定だなwwww俺は霊能者だから」
眉をひそめながら苦々しく皮肉った笑みで社長さんがツッコミさんを睨む。かたや睨まれたツッコミさんは「狼の戯言に耳を貸したらあかんで、霊能者は他にいるわ」と態とらしいほどに対抗を誘い、案の定、ツッコミさんの相方と思しき牡丹さんが霊能を名乗り出た。
狼の共騙りだ。ここで出なければ村が危うい。ぼうとしている暇などないのに、しかめっ面の社長さんに目を奪われていた。
「すみません僕が占いです、そしてツッコミさんは黒と出ています。遅くなってごめんなさい…」
途端に刺さる数多の視線、居心地の悪さに密かに身をよじった。一瞬目を見開いたツッコミさんは、しかしすぐにニヤリと企みを含んだ笑顔を僕にだけ見せた。
「なんや、(^q^)匿名が相方やなww希望のピンチで騙りに出たんやなwww今夜占ったるわ、今日は希望吊り頼むで」
「私視点ではゆるふわ完全に黒ですからしゅしゅたんもおそらく人狼かな」
さりげなく社長さん吊りに念を押すツッコミさん、それに自然に合わせながら僕が黒であると印象付けさせる牡丹さん、こりゃあ参ったとため息をついた。この二人が狼であること、そして僕が出遅れた時点で、すでに勝敗は決まっていたようなものだ。
村陣営にとても申し訳ない。
アアアアアアアアアしゅしゅ希望アアアアアアアアア
>>793-794
和やかな二人の雰囲気を想像したら萌えた