悪魔聖書へのお題【「俺を苦しませて、楽しいですか」/君が優しく微笑むものだから。/惚れた弱味。】
これとか一個目がまんま聖書だよhshs
完全にDV男にハマってるやつやん
殴られたり酷いことされてるのにふとした拍子に優しくされただけで惚れた弱みでゆるしちゃうやつやん
書かずにはいられなかった…!
DV注意な悪魔聖書
バシンッ
前触れもなく平手が飛んできた。
叩かれた頬がじりじりと痛むよりもはやく、矢継ぎ早な暴力が俺に襲いかかる。
平手、平手、平手、拳、拳、足、足、拳、足、拳………
どのくらい経ったのだろう。全身から力が抜けて床に倒れたまま、無事だった左目の瞼だけ持ち上げてなんとか悪魔殿を見上げた。
やっと気が済んだようで、彼は握り締めていた拳を緩めてだらりと体の両側に垂らす。そして優しく手を伸ばして抱きしめてくれた。血の匂いしかしないはずなのに、空気が甘く感じられた。
切れた口内から溢れた血は喉を塞ぐ。が、それでもゴボゴボと湿った声で彼に問いかける。
「俺、を…くるしませて、楽しいです、か……?」
答えはもちろんなかった。
その代わりに、太陽のように無邪気で暖かい笑顔が、悪魔殿の顔に咲いた。
体を蝕む痛みも苦しみもその笑顔に掻き消された。心の中がぬるま湯に浸かったかのようにとても温かい。
ああ、やはり嫌いになれない。
(惚れた弱み、ですね)
顔を上げてそっと口付けた。