今宵、月の向こうで叫んでる 

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44: :2019/08/15(木) 18:28



  _もうすぐ時計の短針は3時を指す。意気揚々と戦争に向かうウェルに、後ろからとことこと着いてくるのは、…敵一派のオペラ。

 「 ……ウェルルくん? 」
 「 煩い、それで呼ぶなって言っているだろ 」
 「 ッ… 」

 オペラが後ろから珍しくおずおずと声を掛けるが、戦争のことで頭がいっぱいのウェルの耳には入らない。

 「 ……ねえ、ウェルくん……、 」
 「 _? 今、"ウェル"っt 」

 甘えるようにもう一度、今度は耳元まで行って囁かれたウェルは、流石に些か困惑したようだ。そのままオペラが、素早くウェルの左手に自分の右手を滑り込ませる。

 「 …! おい、 」
 「 ……暖かい。もう少し、こうさせてくれよ? 」

 ほわんと笑うオペラに、少しだけぴくりとウェルが反応した。が、直後に思いっきり叩き落とした。バチンッと、鈍い音が廊下に響く。

 「 _痛ッ……!、 」
 「 馬鹿じゃないのか。一体何のつもりだったんだ、… 」

 痛がるオペラにウェルは冷たく吐き捨てると、つかつかと歩いていってしまう。

 「 、待ってくれ! 今のことは、どうか内密に…… 」

 「 _は? 何の話だ。 」
 
 慌てながら言うオペラを一瞥すると、ウェルはさらりと言って、さっさと行ってしまった。一人廊下に残されたオペラは、

 「 隠してくれるということは、……期待して良いんだね? 」

 そう最後に一言残すと、"いつものオペラ"に戻り、戦争に参加しに行ったのだった。
 
 


  ◆/pk.:2019/12/27(金) 22:29 [返信]


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