「 …私は、内心不安で仕方がないのよ。 」
「 此処に居るのは、単なる無個性な人間じゃなくて…皆、それぞれの個性を持った、素敵な人達でしょう? 」
「 …正直、私はそんなに綺麗な人間じゃない。 」
「 それは…違います。 」
「 例えここに来たのはただの偶然だったとしても、…狼谷さんは、狼谷さんです。 」
「 ……?! 」
「 意外と底意地っ張りで、負けず嫌いで…でも…本当はとっても優しい。俺の知っている狼谷さんは…そんな人です。 」
「 …… 」
「 …それを言うなら、俺だって無個性な人間ですよ。芸術家気取りの癖して、大したモノは作り上げられない…狼谷さんは、此処にいるべき人…少なくとも、俺はいてほしいと思っていますよ? 」
「 ………っ、 」
「 ……あの、狼谷さん? 」
「 … 何、どうかしたのかしら? 瑠璃川くん? 」
「 どうして、俺に寄りかかってるんです…というか、こんな所で寝たら風邪引いちゃいますよ?、ホットミルク用意しましょうか? 」
「 いい、今はこのままで…そっとしておいて、くれるかしら? 」
「 …仕方のない人ですね、判りました!存分に甘えて下さいな、 」
「 …テンションが高すぎて、奇ラ莉さんみたくなっているわよ? 」
「 ……ハイ? 」
「 …嗚呼、そこで一番怒るのね… 」
「 …ふぅ、あれだけ侮れない利発とばかり思い込んでいた、彼女が甘えたがりなのは意外でしたが。 」
「 まぁ今さらそんな事はどうでもいいか、…弱味を見つけられたのは、我ながら上出来です。 」
「 … …俺の目的を邪魔するつもりなら、すべてを葬らざるを得ない… 」
「 いやぁ、建前と大義名分があるのは嬉しいですね。…これで心置きなく、俺は俺の作業に没頭できる。 」
「 …彼女は彼女で、好きに足掻くがいいですよ。俺には知ったこっちゃありませんね。 」
>>625 ありがとうございます…とても好きです……