−−−−戦い終わり。
百合は、ボロボロな辺りを見渡すと、小さく笑いながら一枚の紙を取り出す。
アル「 それ、何っスか? 」
壁に体重を預けながら、紙を持つ百合に問う。
ソワール「 サイゴニナニカスルキ? 」
アマテラス「 …そうはさせないけど 」
アッリル姐「 本気で仕掛けて来るならこちらも本気で挑むわ 」
デューク「 あぁ、俺も手を貸す。 」
警戒するようにそう言う。
阿部「 …アルの問いに答えてくれ 」
六人の声も聞く耳持たず、百合は笑い声を漏らす。
百合「 にははっ、いやぁ、今日は楽しかったよ。地下にこもっていても体が鈍るからね。 」
紙を片手に伸びをする百合の近くで、シナトが目を見開く。
シナト「 地下って…もしかして学園長…? 」
シナトの推測を聞いてみんなが目を丸める。
デューク「 姿を見せない、黒マント、確かに始めて会ったし、黒マントだけど___... 」
メル「 さて、今回も消すの?お姉様 」
デュークの言葉を遮るメルの “ お姉様 ” と言う発言にみんなが困惑の表情を浮かべる。
アマテラス「 百合さんが学園長でメルの姉ってこと? 」
シナト「 そうなりますね 」
ソワール「 ソウナル 」
アル「 えっ、あ、そうっスね 」
阿部「 …ほう 」
デューク「 う、うん 」
アッリル姐「 …なるほどね 」
皆んながアマテラスの言葉に頷きながら順に返事をしていく。
百合「 にーっはっはっは!そうだね。私は学園長でメルの姉…シオン・トーチリリー。
本当はここでよろしくしたいところなんだけど… 」
ペラペラと喋り続ける百合の言葉をメルが遮る。
メル「 お姉様 」
一連の流れを見て皆が首を傾げたのも数十秒のこと。
シオン「 闇涙世界 」
シオンがそう言うと、持っていた紙…“ 漫画の一ページ ” が世界に滲み、皆んなが次々と眠りだす。
メルとシオンを残して。
メル「 …じゃあワタシは外に出ておくわね 」
メルはそう言うと、扉の向こうへと出ていく。
それを見るとシオンは床にロウジュレイルを突き刺して声をあげる。
シオン「 後悔 」
そう言うと、床一面に大きな時計が浮かび上がり、体育館を照らす。その中、シオンが片手を宙に伸ばすと、伸ばした先に血の滲んだ包帯が舞い、其れが赤髪の血濡れた包帯を身体中に巻く少女へと姿を変える。
赤髪の少女「 さて、いつも通りやっていいのね? 」
自身より少し小さいカッターを持つ少女がシオンへ振り返りそう問うと、百合は小さく頷いて全員の上に浮かぶ紙に血が滲むのを見つめたままため息をこぼし、
シオン「 …君達は今から私のことを忘れる。
__ これで正式に入学したってことになる。歓迎するよ。
ようこそ、選ばれた人のみが入れる “ 忘れ者学園 ” へ。 」
止まっていた時計の針が逆へ回りだす ____ 。
デューク「 ____…去る学園長。 」
アル「 へぇ…ってメルトっち?どうしたんスか?なんかぼーっとしてるっスけど… 」
アッリル姐「 どうやらぼうっとしているようだけれど、考え事かしら 」
アマテラス「 今日のことで考え事って言ったら___ 。あ、戦闘授業が楽しみなんですか? 」
ソワール「 ナルホド! 」
シナト「 阿部先生なら多分あと少しできてくれるかと… 」
皆に呼び掛けられ、メルははっと意識を取り戻すと皆と同じように会話に混ざる。
メル「 … あ、ううん、大丈夫よ。…その学園長のことなんだけど___
____ こうして正式に入学して皆は、また前回とは違う平凡で楽しい日々を過ごす事になる。
終わり
そうなのね…
シオンはやはりセンスがあるわね!見習いたいわ!
それなら安心よ。良かった。
>>462
私のキャラが再現されてて嬉しいわ。ありがと。