はぁ…おいちぃよぉ。
この状態で僕がとどめを刺したから貴方は間違いなく死んでいるね!!
「奥義」と確かに貴方は言った。しかしながら、その奥義が貴方の実力以下によって生み出された代物であると誰が言ったのかなぁ…。この次は貴方のキュートな同胞たちが標的だぁ。でもでもでも、彼らは束になって掛かって来たら僕が纏めて華麗に片付けるのはすっごい難しいからさぁ、1人ずつ来てね。
そして、黙っている限り図星みたいだね。それ以上は突っ込まないでおいてあげるよ。これでも僕は、今も昔も最低最悪だから突っ込まなくともこうやって1人ずつ殺していけば分かるさ。慈悲というよりも、寛大な精神を持ち合わせているんだよ。ふふっ!おいしいね!おいしいおいしいおいしいねぇ!
( 侮蔑がロルの口角に浮かび上がるや否や、統制不可能な狂気に押されて暗黒神の遺体を連続して蹴飛ばす。 )
そうかそうか、お褒め頂き光栄だ。其れほどにも美味いか、我が眷属は。
. . . 損傷が多い。魔力を無駄にした。
(紅い魔法陣が突如空中に出現し、虚無の暗黒神は優雅に降り立った。
解除、と唱えると死体は砂になり、さらさらと風に飛ばされてゆく。)
其れは、死霊に我が魔力を加えた操り人形〈パペット〉。
そう、我は「最初から」血を媒体として意識を共有した人形で戦っていた。
奴との戦いは双方にとって様子見も兼ねたものだったからな。
貴様、中級悪魔か?感情に行動を支配されるなど . . . 取るに足りぬ。
この虚無の暗黒神ゲーデが始末してやる迄もない。
ベシュティンムングにでも任せるか。良い暇つぶしにでもなるのではないか?
さて。 . . . 魔力も消耗したことだ。城に戻るか。
(短く詠唱すると、空中に黒い五芒星が出現した。手をかざすと其れは赤く、眩く輝く。一陣の風が大地を揺らす。虚無の暗黒神は消えていた。)