>>966
そうかそうか、お褒め頂き光栄だ。其れほどにも美味いか、我が眷属は。
. . . 損傷が多い。魔力を無駄にした。
(紅い魔法陣が突如空中に出現し、虚無の暗黒神は優雅に降り立った。
解除、と唱えると死体は砂になり、さらさらと風に飛ばされてゆく。)
其れは、死霊に我が魔力を加えた操り人形〈パペット〉。
そう、我は「最初から」血を媒体として意識を共有した人形で戦っていた。
奴との戦いは双方にとって様子見も兼ねたものだったからな。
貴様、中級悪魔か?感情に行動を支配されるなど . . . 取るに足りぬ。
この虚無の暗黒神ゲーデが始末してやる迄もない。
ベシュティンムングにでも任せるか。良い暇つぶしにでもなるのではないか?
さて。 . . . 魔力も消耗したことだ。城に戻るか。
(短く詠唱すると、空中に黒い五芒星が出現した。手をかざすと其れは赤く、眩く輝く。一陣の風が大地を揺らす。虚無の暗黒神は消えていた。)
うむ?
そいつは貴様の知り合いか。全く、最近は神なのか悪魔なのかわからん奴等が多いなァ!分別に困るじゃないか。
それよりも、貴様は俺が暇人だと吐かしたか?生憎だが、俺はそいつに構う暇なんざ無い。…が、しかし、悪魔であると言うならば話は別だ。貴様の良いように使われるのは癪だが、今ここで労力を使わずに悪魔を見附る事ができたんだ。俺が相手をしてやらんでもない。