>>267
......ええ、よくご存知ですね。「よだかの星」という物語がありますでしょう、嫌われ者だったよだかは、天に願いを捧げ、そして夜空に輝く星となったのです。
(白い仮面を外すと、露わになるのは星々の瞬きの様に美しい金色の双眸。すると、黒いローブを純白の双翼が突き破る。どうやら、仮面にはオーラを抑える力があるようだった。)
...僕はアルナイル。願いを叶え、この世の万物を天へと導く存在です。皆は僕をこう呼ぶのです、星の天使と。
(肩にかかる藍色の髪が水のように滑る。少女か少年かも分からない。しかし、星の天使は恐ろしいほどに美しい。どこか幼さを残し、それでいて形容し難い気品がある。これを蠱惑な魔性と呼ばずしてなんと呼ぶのか、まるで夜空に浮かぶ星々の様に美しい。星の天使は、羽を広げると天へと昇っていった。)
「……天使…な……」
(そう呟くと、ポロポロと宝石達が地面に落ちてゆく、それは先程までの煌めきを失い、ただの石ころになる)
「……だめやなぁ、ほんま」
(そう言いつつも、彼の瞳は、星をうつしていた)