>>713
「うんうん、おいしいねぇ、……うん、ほんとにおいし、」
(そう言おうとした瞬間、ピタリと宙の動きが止まる)
「………あ、」
(口元に手を近ずけながらも、その宇宙のような瞳は目を張っていた)
「………しまった」
(リセットされた、今度は、味覚、いや、食事という行為に対するものが、かもしれない、それでも)
「………」
(彼女の中からまたひとつ、彼女が消えてしまった)
「…ふぇ?……神性…というより…」
(最近、神性に対するセンスが戻り始めたこの娘は、
やはりそういったものに敏感らしく、そらの目を覗き込んで不思議がる)
『おい どうした・・・また面倒でも始まったのか?』
(その手でそんなことが出来るのかと疑いたくなるが、
ゲームボーイをプレイしていた主人も手を止めてそらを見る)