ミカ『あのねぇ、弐ぃ様が探してたよ?【俺を置いて抜け出してんじゃねぇーっっ!!!】って、めっちゃ怒ってた』
壱『あ、そういえば忘れてましたね、弐ぃにつたえるの』
「えぇ…」
(ふわふわと可愛らしく笑う天使を抱き返しながら立ち上がり、頭を撫でる)
ミカ『んふ、えへ』
「まったくまったく、可愛いなぁミカエルくんは」
ミカ『そーだよ!僕は可愛いからね!!』
(どやぁっと胸を張っている、誰も違和感など持たない)
(かつてピンクがかったあの白い6枚の羽が、全て黒く染っていることなど、だれも気にしない)
(キューシンサマー?)
…………
(聞こえている、と…健気に働いているであろう『目』達にそう告げてやりたいが…
やはり、目に付くべきものを目の当たりにすれば、やはり私の言葉は止まってしまうのだろう)
………
(…無事、あの子は忘れてくれている様子だ…)
(キューシンサマー)
ああ、聞こえているよ…
(…感謝、せねばなるまい…あの子はあるべき新たな姿と生き方を手に入れたのだろう…
誰かが望まない形、か…誰が言った言葉か?そんな物が意味を成すはずがない
あの子の今のカタチ、それは誰かが確実に望んでいるもののはずなのだ…それは、
私からの決別、そしてあの子が『正』へと復帰できた証…)
(キューシンサマー)
………
(…申し訳ないが、今は健気な言葉に対して私は何も返すことができない
涙が止まらないのだ…悲しみも少しは含まれてはいる、だが、何よりも…
あの子が幸せになってくれている事、その嬉し涙こそが私の流している本意そのもの、
今まで私が返せなかった分を、誰かがあの子に返してくれている…)
(キューシンサマー)
「…聞こえているよ」
(…なら、私も心置き無く事を成して去れるというものだ…)
安心感を確実に心の中に加えて、私な歩を進めた