「 妙なお人ですわねぇ… いい加減、静かに
していただけませんこと? 」
( やにわに"不定形の黒"が長椅子の向こうへ集約する )
「 ……あぁ… 、お茶が冷めてしまいますわぁ 」
っふ、呑気ですこと。
いずれ来る新世界が訪れる際、この世界の終わりをただ見つめていればいい。
あなた方の時とは比べ物にもならない混沌が世界を包むでしょう。
それこそが『救世』、なのですわよ。
(到底敵わない実力の差。それを理解しているからこそ、嫌味しか選択肢を持たない。
よろり。ゆらめく体。ついに限界を迎えようとしていた。)
…ああ、しかたありませんね。
この場は任せましたわよ、兄さん。
(そう告げると、背を向けて爪先を鳴らす。
ふっ。足元に広がる魔法陣に呑まれてハリジャは転移した。)