【 ポタポタと 】
( 充満する血の匂い。白いベットの上で。ある少女は哀れな立場に置かれていた。少女の小さな手、短い指が握るものは、黒くて、グロくて、気色の悪い紛い剣。どくどくと波打つ得体の知れない禍い剣。 )
「 テメェなんて、」
( 剣の先へ先へと向かえば向かうほど、何かの肌色の肉塊に埋もれてみえない。間もなくして、【 グチャグチャと 】少女の体に赤い臓物がこぼれてくる。ベットに仰向けになる少女にこぼれてくるのだ。 )
「性欲処理の一つもできねぇ娘なんて、 」
( 少女は刺している。自身に覆い被さる父親の腹部にその剣を。【グシャァァァァァと】腹からうどんのように溢れてきた。グロくてキモくてエグいものが少女の全身に浴びせられる。 )
「産ませるん…じゃなかった… 親殺し…魔女が」
( 腸と胃と色々な赤い肉に溢れる中。赤いベットの上で。生を喪失した父親の体が少女の体にのっかかる。その呆然としている少女は君だ。ーーそして、剣は静かに「君の体に」潜り込んで消えていった )
(静かに、静かに、塵の魔女になる前の記憶を見守る。
追憶の中で遥か昔の情景を瞳に宿していた。)