……っふふ、
あははははっ!
(怒号の余韻をかきけすように、笑い声が教会に響く。
涙をうっすらと目尻に浮かべて、顔を赤くし、心底楽しそうに笑う女の姿がそこにあった。)
…ああ、本当におかしい。
あのね、その人はね、あなたの代わりに苦しみを背負ったのですよ。
その先にあるのはなんですか? 救いでしょう?
あなたは善行をしましたよ。なにを憤ることがあるのです。
痛いの痛いのとんでいけって、聞いたことありませんか?
まさにそれですよ。善なる行いの上で他人に呪いが課せられることは、運命と呼ばざるを得ませんわ。ご存知ですか? お嬢さん。
救い救いクソムカつく野郎だな。
人が神の贄?それが救世?それが運命?
んなわけないだろ。
( 立ち上がる過程でガラスを破片をすくい持ち、一番鋭利な部分を相手に向ける )
オレはな、お前みたいにその時がくれば救われるんだって考え方してるヤツが大嫌いなんだよ。
病み期ん時の自分を見てるみたいでイライラする。
( 血。ぽたり。
気づけば、破片を強く握りしめていた )
結局、お前らが言ってるのはさ、今世がクソだから死後に賭けようぜってことだろ。ばっっかじゃねえの?
確かに、この世界はクソほど終わってる。そこは、みんなの共通の思いだ。でもだからと言って、この世での自分を諦める理由にはなんないね。
だから今から、バケモノなしでお前をぶっ飛ばす。
なんか異論はある?最後の言葉ぐらい聞いてやってもいいけど。