>>21 一つ息を吐いて、回転し迫る“ソレ”を見る、狼に変じたかと思えばソレは回転を始めた、けれどそれはあまりにも―― 「単調な攻撃ね」 そもそも狼は回転するものではない、まだ爪と牙を武器に跳び掛かられた方が対処が難しいと言うもの。 『――ファントムクラスタ』 異能の名を唱えると同時、視界が切り替わる。 その瞳に写るは転輪し遠ざかる白狼の姿、そしてもう一人の自分自身。