>>30
「あぁ、ここまででたらめな能力だと感心を通り越して呆れてくる」
針鼠のクラスタが放たれても、虚虚実実は冷静に状況を分析する。もはや彼女に死角無し、自分に迫る危機を別の自分が認識し安全地帯の自分と瞬時に入れ替わる、その繰り返し。
故に虚虚実実に隙は無い、空中に飛び上がった狼の挙動さえも、幻影の群れは見逃さない。
「面倒だけど、えぇ本気で相手してあげる、どうやらあなたは戦い長引かせてはいけないタイプみたいだし」
虚虚実実は二倍に増える、その数およそ八体、そしてそれぞれが四方八方へ走り出す、けれど足音はただ一つ、草を踏みしめ疾走の軌跡を草原に刻む者はただ一人。
(名前入れ忘れました>>31はわたしです)