存在XXX

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46:The other:2021/08/18(水) 21:12

白髪女が淡々と述べた脅迫紛い言葉は、マスクマンのメラメラ燃えるようなストレスの薪として焼べられ、ついに剣を真横に薙ぐという動作へ爆発した。
ーー真横、刃が女の姿をした白い悪魔の前髪をかすめて、壁へ急ぐ。壁掛け棚を薪割りに砕いて、刃は壁にめり込んだ。

「クソ女、いいか?よく聞けやァ、俺はな、クソガキの腕一本くらい、ちょん切ることくれェ、余裕でできんだ」

壁に刺さった鋼橋の下、散乱したスープの器も、スプーンも、木破片も、ライが困り顔で回収する。
その事には無遠慮に、機械を纏う情動は、人の姿をした徹底理性へ、接近。しゃがんだライの背に脚がぶつかってなお、不快な笑みを浮かべる顔にメンチを切った。なにニヤついてんだコイツ。近づけば近づくほど、吐き気がする。その思いはレンズの内側、この目に憎しみとして滲んでいる事は、マスク男が知る由もない。

「テメェの教え子の腕が、ハムみてェにチマチマ残酷に斬られるのは見たくねェだろ。やられたくなけりゃ、教えるんだな」

脅しには脅しで対抗する。とはいっても、どちらが優位で、どちらが劣位なのか、その差分は明らかだ。その事を嫌々とはいえ、理解するマスクマンは、白髪女の恐怖心に訴えることを選んだ。彼女に恐怖心があるという願望に縋って。


パイチェ 微粒子の姿:2021/08/19(木) 13:19 [返信]


レントゲンの言葉に、パイチェが微かに反応した。粒子のブレが残像となってその場に残る。前面から斬り掛かる個体に潜んだ、今にもこぼれ落ちそうな激情の一滴すらも汲み取らず、空間ごと別次元だと主張せんとばかりに笑う。反応したのはたった一言だけ。その一言へのアンサーを、淡々と紡ぐ。

『君は優しいね。でも、片腕なら切り落としてもかまわない』

レントゲンの半ば賭けのような思いとは裏腹に、女には恐怖心などというものが、いいや、感情らしきものが備わっていなかった。けれど、薄く一筋覗かせたものは、

『その片腕は僕に寄贈してもらえると嬉しい』

執着、恍惚、興奮。その全てが、かつて抱いた愛の成れの果て。


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