「つまんねぇ、もっと俺を滾らせろよ……」
一瞬で粉砕される妖魔に不満を漏らし、次の敵へ回し蹴り。
「でも、沢山居るじゃないですか〜」
にこやかな笑みを崩さぬまま、提灯妖魔に大薙刀を降り下ろし。
「まっ、そうなんだけどよ、やっぱつまんねぇわ」
強い奴は何処だと半鬼の少年は戦場を見回す。
____コキンッ コキンッ コキンッ コキンッ
(__…突如重く深く響く、…まるで年代物の気持ちが良い音…)
[コキコキ][ザザザッ!] コロカラコッ!
… 何故か 愉快な提灯どもはその音に左右へ逃げ出す
____コキンッ コキンッ コキンッ コキンッ コキンッ
…森に …赤い明るみがぼんやりと___
「――そこかッ!」
勁牙、彼方に強敵の気配を感じとり地面を踏みしめ疾走。
「あ、待って、一人で行くのは危険で……」
全てを言い終わる前に彼は止められないと悟り、左右に散った提灯達に一撃を浴びせ後を追い。