『ガンドロ=ロキュプス』
魔の森、各地に分布するサソリ型の魔物
雌雄で姿と生態が大きく異なる事で有名な種だが
巨大な雌、小柄な雄が同種と知られたのは最近の話で
撮影技術が進歩し 交尾、雄による卵の防衛や幼体の世話が
確認されるまでは 雄の方は近似の別種と思われていた。
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『ガンドロ=ロキュプス[雌]』
一般的に広く知られる姿は、この大柄な雌の方
尻尾を持たないゴツい体付きのサソリが、岩塊を
ヤドカリのように背負っている …といった姿の雌は
草食性が強めの雑食で、雄よりも遥かに体が大きい。
殻を除いても7mという虫として桁違いの大きさを持ち
筋肉質な脚部に支えられた俊敏性も中々のもの、
天敵も少なく、魔の森が肥沃な土地であることもあり
探してみれば何処でも生息を目にする事ができる
[生態]
幼体初期は雄の説明にて。
幼体時代は雄と変わらない見た目で、岩の影や
草むらに隠れて小型の昆虫や雑草を補食する。
非力な段階であり この時点で400匹の幼体のうち
半数以上が外敵による補食等によって命を落とす。
親離れから5ヶ月後には成体の雄と殆ど変わらない
小型犬ほどのサイズに成長する。…この段階でも
捕食者による驚異から満足に身を守れる手段がなく
大型鳥類等に見付かり、補食されてしまうことも多い
更に1カ月後、鋏が岩を削り取れる程強靭になると
今までの棲みかである森を離れ 岩肌の露出した地域に
雌は進出していく。
リスクの高い大移動を生き残り、その上で体力を維持し
岩肌に無事、到達できた個体がやっと"殻"を手に入れる
"殻"は自分の体のサイズに合わせ、鋏で岩を削り
粘着質の液体を口から吐き出して作るハンドメイド。
"殻"は腹に被せるようにして被る。
成長し、殻の内部空間が狭くなると"拡張"する
内側から酸性の体液を放出して殻の内部空間を広げ
また、その上から殻に新たな岩を付け足して行くことで
まるで体の一部のように殻も共に成長していくのだ。