「まったく、何がどうなってんだか……」
とある雑居ビルの屋上からシャングリラの街を見下ろし、アレックスは一人呟く。
身に覚えの無い指名手配のニュース、突然追われる身となったアレックスはこの場所でほとぼりが冷めるのを待つことにした。
「なんにせよ、これでまた一つビッグな男に近付いたって訳だ」
最悪と言っていい状況、しかしアレックスの表情に不安や焦りの色は見えず、むしろこの状況を楽しむかのような笑みを浮かべて屋上のフェンスに凭れかかる。
空を見上げれば雲一つ無い晴天だ、日射しに目を細めていると屋上の扉がゆっくりと開き。