【最後の言葉】
最近、祖母の死に目を看取った。
もう随分年をとっていたのだが、これがまた漫画に出てくるようなひどい意地悪婆さんで、
突然勝手に家に住むと言い出し、特に父とは仲が悪く毎日言い争っていたみたいだ。
俺は早くに実家を出て東京で暮らしていたので、あまり詳しい事は知らないのだが。
これだけ執念深い性格ならさぞ長生きするだろうと父はぼやいていたが、
突然容態が悪くなり、長い期間入院する事になった。
祖母が入院した病院は、実家から遠く離れた場所にある有名な病院だったのだが、医者も手の打ち様が無く、
親戚を集めて話し合った結果、安楽死させてあげようという結論に至った。
最後の日、病室のベッドに力無く横たわる祖母の姿からは、
意地悪な事ばかりしていたかつての元気は欠片も無かった。
祖母が息を引き取る寸前、何か言おうとしたので、父が顔を近づけて、最後の言葉を聞こうとした。
声はほとんど出ていなかったが、微かに聞こえた音と口の動きから、
「秀一、遠いとこ来てくれて……行って……さようなら」
と言ってたのだろうと父は言っていた。(秀一は父の名前)
『行って』と言ったのは、一番嫌っていた父に、自分の死ぬとこなど見られたくなかったのだろう。
しかし、そんな一番嫌っていた父を最後に労い、ほんとは心の清らかな人だったんだと親戚はみんな泣いていた。
【クローバー】
最近、近所で連続殺人事件が起きている。
被害者は全て同じ小学校の子供。
その犯行はとても残虐で、死体は見るに耐えないカタチになっているという。
事件現場に供えられた沢山の花。しかし、その中にクローバーが大量に供えてある。
他の現場でも、必ずクローバーが大量に供えられている。
どうやら、あるお婆さんが供えているらしい。
歳は80といったところだろうか。とても温厚そうなお婆さん。
涙は見せず、優しい笑顔で花を供え、手を合せて帰っていく。
お孫さんなのだろうか。知り合いの子供さんなのだろうか。
私も花を供えにと思い現場へ向かうと、ちょうどそのお婆さんと会った。
お婆さんはいつものようにクローバーを供えている。
「何故クローバーを供えているんですか?」
「クローバーって、四葉とかあったりして幸せな花じゃない?
向こうでも幸せにしてほしいって意味を込めてるのよ」
そう答えるお婆さんは、とても優しい目をしていたが、時折切ない表情も垣間見えた。
「実はね、私の孫も亡くなってしまったのよ。別の事件なんだけど、学校の事故で。
詳しい事はまだわかっていないらしいんだけどね。
この殺人事件で亡くなった子達、孫ととても仲良くしてくれてたらしいのよ。
だからこうして、全員にクローバーを供えているの」
涙しながらそう話すと、お婆さんはその場を去っていった。
こんな優しいお婆さんもいるんだな、という思いにふけりながら帰宅した。
一つ目はわからなかったので、二つ目だけ書きますね
クローバー(白詰草)の花言葉には【復讐】という意味もある
おばあさんの孫はいじめられて死んだ
殺された子供達はおばあさんの孫をいじめていた子達
いじめっ子を殺した犯人はおばあさんで、復讐の意味を込めてクローバーを供えている
【最後の言葉】の方はまだヒントいりますか?
>>619の最後の言葉の答えは何ですか⁇
>>619 やっぽ、さちさん☆
私もここにたまに来てますよ♪