大昔、一ツ橋系の編プロ業務を下請けして金稼いで自社出版物だしてる零細出版社で働いてた時、当時の漫画家さんはネームとかでゲラ校正とかで使うんでファックスは必須だった
とある漫画家さんの単行本を担当した時、「あ、その先生、ファックス無いからね」と言われた
怪訝な顔をすると先輩が「作り話で実はファックス嫌いなだけなのかもしれないけどね」と話してくれたのが、以下の話
その漫画家の家には元々はファックスがあった
今で言えばネット環境みたいなもん、なけりゃ仕事に差し障る
最初はなんにも変わったことは無かったんだけど、ある頃から深夜になるとファックスが届く様になった
最初の頃はとにかく真っ黒なもの
「イタズラにしちゃ酷いよね」とか言いながらも気にしなかったそうだ、連載抱えて忙しかったそうだし
その内、単に真っ黒じゃなく、不規則に縦に線が入っているのに手伝いに来てたアシさんが気付いたそうだ
「頭がおかしい人が送ってきたのかね」
「ボールペンかなんかで線引いて塗りつぶしたみたい」
「紙もタダじゃないんだから止めて欲しいよね」
不定期ながらもそれなりの頻度でファックスは続いていたそうだ
やがて、真っ黒だったファックスに少し変化が見える様になった
一部、白い隙間が入る様になったのだ
そして原稿が修羅場に入り、2〜3日、ファックスは放置された
「まーた来てたんだ」と吐き出されファックスの紙を見ていたアシの一人が突然「うわぁ〜!」と叫んで紙を放り出し、震え始めた
日数経過と共に増えてた白い隙間
最新のファックスにはその隙間に見間違えがあり得ないほどくっきりと、見開いた人の目玉がうつっていたのだという
つまりは連日の真っ黒いファックス、後ろを向いて髪しかうつっていなかった頭部が徐々に前を向いてくる過程だったのだろう
ひっくり返した缶コーヒーで仕上がったばかりで原稿が汚れて再度修羅場突入で、その場の変な雰囲気は消えたが、その夜、また目玉のうつったファックスが届き、漫画家は電話線を引っこ抜き、ファックスを捨て、それ以降、ファックスには一切触れなくなったのだという話
>>68真面目に怖い。ファックスみれんくなったΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン