。゜・クリスマスに降る雪のヒミツ・゜。
上杉くんと、魔法の丘の近くの公園で
話していたとき紗良姉が言っていた、
“魔法の丘に降る雪の秘密”がわかった。
突然のクラクションがきっかけに、
トキの流れが遅くなった。
たくさんの人が笑い合っていたはずの公園
に、紅い血が点々とシミを付けていて。
女の人や子供達の 甲高い悲鳴や泣き声と、
大型トラックの急ブレーキの音と、
私の前に倒れ込む上杉くんと、
…………なにもできずにその光景を呆然と
見つめる私。
_______現実とは思えない、いや、
思いたくないその出来事は、まるでドラマ
を見ているようだった。
前回
。゜・クリスマスに降る雪のヒミツ・゜。
あの日から3年後、私は魔法の丘に独りで
立っていた。
上杉くんが轢かれたとき、誰かが救急車を
呼んでくれたらしい。
だけど、間に合わなかった。
…………即死。
そして、いつの間にか探偵チームKZは
解散していた。
それから、私は独り。
紗良姉が私に言ってた言葉、私はいつ、
あの“残酷な言葉”を言うことになるの
だろうか。
「ねぇ、〇〇。覚えておいて。
この丘に雪が降ったら、その日は大切な
人に会っちゃいけないよ。
もし、会ってしまったら、
その人に、2度と会えなくなってしまう
から_______。」