久しぶりの更新でっす!
また文才が風で吹き飛ばされたかも…………
初回>>14
前回>>144
真っ白な過去は知っている 【美門side】
「貴和、ミラ、和典、ちょっと来て?」
俺たち全員のロープを外したアーヤは、少しだけ首を傾げて黒木たちを呼ぶ。
いま、黒木たちのこと、名前で呼んだよな?
それも自然に。
「ん、オッケ」
そして、上杉も、何事もないように、アーヤについていった。
それに続いて、黒木とミラも。
ただ、その二人は不思議そうにアーヤを見つめていたけど。
_____なんか、不自然なくらいに落ち着いている自分が恐い。
若武と小塚は、ショックを受けたようで、ずっと固まっている。
それなのに俺は、なんでこんなに…………。
思い当たる考えは全て、記憶の扉から無理矢理引きずり出す。
いろいろな感情がぐるぐると混ぜ合わさり、頭が何色もの色に染まる。
アーヤたちは、部屋の角で、なにか話し合いをしている。
みんな、見たことないほど、真剣な表情。
先程の不思議な空気はどこかに消え去り、新しい緊張が、俺らの心を支配した。
しばらくして、アーヤたちが戻ってきた。
そしてその一言目で、緊張も再び、どこかへ吹き飛んだ。
「もうすぐ逃げるよ。心の準備、しておいて」
: