初回>>14
前回>>141
真っ白な過去は知っている《彩side》
う〜ん、と〜。まずは…………
手足縛っている縄取ろ。
その後は盗聴機の処分か。
あ、見っけ!
うん、ズルい真似するな、あいつ。
ま、いくら天井に付けられてるとしても、
僕は簡単に取れるけど、ねっ!
っ、ゲット。んでもって、取り敢えず
潰しときゃいっか。
あはは、なんか、ちょー簡単に壊れたん
だけど。
最近自分の力が恐くなってきたわ。
あれ?やっとみんな起きた?
遅っ!まぁ、無理矢理起こされた僕が
言うことじゃないけどさ。
って…………、なんでみんな縄を
取らないんだろ。
「ねぇ、楽しくしているとこを邪魔
して悪いんだけど、なんでみんなは
縛られたまんまなの?」
わかりやすいぐらいバカにして言うと、
みんな驚いたようにこっちを見た。
え、なんですか。
まさかの忘れ去られていた系ですか。
めっちゃ悲しいんですけど。
マジで忘れてたとか言わないでよ!?
久しぶりの更新でっす!
また文才が風で吹き飛ばされたかも…………
初回 前回>>144
真っ白な過去は知っている 【美門side】
「貴和、ミラ、和典、ちょっと来て?」
俺たち全員のロープを外したアーヤは、少しだけ首を傾げて黒木たちを呼ぶ。
いま、黒木たちのこと、名前で呼んだよな?
それも自然に。
「ん、オッケ」
そして、上杉も、何事もないように、アーヤについていった。
それに続いて、黒木とミラも。
ただ、その二人は不思議そうにアーヤを見つめていたけど。
_____なんか、不自然なくらいに落ち着いている自分が恐い。
若武と小塚は、ショックを受けたようで、ずっと固まっている。
それなのに俺は、なんでこんなに…………。
思い当たる考えは全て、記憶の扉から無理矢理引きずり出す。
いろいろな感情がぐるぐると混ぜ合わさり、頭が何色もの色に染まる。
アーヤたちは、部屋の角で、なにか話し合いをしている。
みんな、見たことないほど、真剣な表情。
先程の不思議な空気はどこかに消え去り、新しい緊張が、俺らの心を支配した。
しばらくして、アーヤたちが戻ってきた。
そしてその一言目で、緊張も再び、どこかへ吹き飛んだ。
「もうすぐ逃げるよ。心の準備、しておいて」
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