「若武、『うちにそんな沢山探偵のコスプレねーよ!』とか言ってたのに、どうしてこんなに探偵のコスプレあんの?アーヤの分入れて6着もあるんだけど。」
衣装をセットにしていた雪が問う。
「知らねーよ!」
「昔、若武の家で遊んだ頃はこんなになかったと思うけど…。ね、上杉?」
「あぁ…。」
小塚君、上杉君も首を傾げている。
彼らも知らないのだから、なかったのだろう。
「でも、これ年代物っぽくない?20年くらいは昔のものに見えるけど…?」
若干、言葉を濁しながらも彩葉が言う。
「確かに古そうだよね…。」
みーこも呟く。その時、翼が口を開いた。
「これ、若武の親の物でしょ。」
「あぁ。」
「若武の親って今何歳?」
あ、と私をはじめ、彩葉や藍紗、かのん、黒木君、小塚君、上杉君などの表情が変わった。
そういう事かぁ…。合ってるか確信はないけど、多分合ってる。
若武が「?」という顔をしながら告げる。
「2人共、38歳。」
ほぼ全員、これで分かったらしい。ぶっちゃけ、若武以外の人が。
「若武の親って若っ!」という呟きが漏れる中、彼は訊いた。
「おい、なんでそんな事訊くんだよ?」
皆、大爆笑っ‼
「逆に、なんで当の息子が分かんないの?」
翼が笑い転げながら尋ねる。
普段、クールビューティな彼の顔は真っ赤。
「じゃ、若武がKƵ全員で探偵コスプレするって言ったら、謎解きしてあげる。」
若武に向かって、雪が小首を傾げながら言う。可愛い。
「分かったよ!じゃ、最後はKƵ全員で探偵コスプレ…プラス、他の奴らもなんかコスプレして写真撮影!所長権限だ!」
「アイ・アイ・サー。」
「かしこまりました、所長。」
翼と黒木君がおどけて敬礼。上杉君も、
「こういう命令だったら従ってもいいよな。」
などと嘯きながら敬礼している。
「いつもこういう感じで権限行使してくれたらいいのに。」
「今回のは、若武だったら思いつかないよ。雪のお陰だよね。」
アーヤが呟き、小塚君が雪をフォロー。珍しく、雪がちょっと照れてる。
どうしたんだろ、小塚君って雪の事…?そんな事を想像してると。
「おい、雪、謎解きしろよ!」
若武が叫んだ。煩いな…。
「うっさい、若武。謎解きしてあげるから黙んな。」
雪がビシッと言い返した。調子、戻ったみたい。
「さて…。」
探偵の常套句。謎解きの始まり!
>>758 今更ながら、「さて__」が使われてることにちょっとした喜びを感じる(笑)
>>773-774 なんとな〜くわかったかな…。