>>946
わかる。なんか消えた自転車とアイドル王子読み比べると大分違うもんね。
>>947
おお!是非ともお願い致しますっ!
ちなみに一番新しいのは>>888だよ。参考にしてください☆
『森の神は知っている』
9.怪しいっ!
私たちは、片山さんにお礼を言って、神社に参拝してから頂上まで行き、皆と記念撮影
をした。
そのあと、山小屋まで戻った。
部屋は、若武&小塚君ペア、上杉君&黒木君ペア、翼&忍ペア、そして私だった。
私だけ一人部屋だったからちょっと申し訳無かったけど、男子と一緒には寝れない。
いや、寝たくない。
6時頃に夕食を食べ、部屋で勉強をしたり事件ノートの整理をしたりしていると、部屋のドア
がノックされた。
「はい。」
私が出ると、そこには翼が立っていた。
「若武から伝言。これから7時50分まで自由時間で、8時から会議だから若武の部屋に集まる
んだって。」
あ、もうそんな時間なんだ。
もうすぐ犯人と出くわすと思うと、胸がドキドキした。
「わかった。ありがとう。」
そう言って翼と別れ、私は犯人の感じを自分なりに想像してみた。
神社からお金を盗んだり、山道にいろいろ細工したりしてるんだから、相当悪い人だよね。
そうすると外見も、やっぱり不審な感じがするのだろうか。
でもきっと、男の人だよね。
それも結構、体格の良い人じゃないと細工なんて難しい。
女の人じゃ、無理だよね。
私は今日会った片山さんと松山さんと秦さんを思い浮かべた。
皆、体格は良い方だったけど、優しかったし第一、犯人を捕まえたいなんか言われて犯人が
okするわけない。
そうすると、怪しいのって片山さんの息子さんかな。
ゲームセンターとか行ってるみたいだし、なんか悪い人そう。
あれこれ想像を重ねていると、もう8時前と言うことに気がついた。
私は急いで部屋を出て、廊下に飛び出した。
瞬間、奥の方から全身黒服の男が走ってきた。
私は慌てて体を反らす。
その時、男の黒い帽子に白くて細長い紐が着いていることに気がついた。
私は秦さんの言葉を思い出す。
『確か目撃情報によると、白髪で天狗みたいな服装らしい』。
もしかしたらあの男、神様になりすましてたのかも!
そしてあれは、片山さんの息子さん!
私がそれを若武に知らせようと走り出した時、男の頭に着いていた白い紐が落ちた。
よし、証拠ゲット!
私は気付かれないようにそっと歩み寄り、ハンカチで紐を取った。
若武の部屋に行き、ドンドンとドアを叩く。
「若武、速く開けて!」
若武がようやく顔を出した。
「ん、アーヤどしたの?」
うるさいっ!
「速く入れて!今、重要な証拠ゲットしたんだから。」
私が言うと、若武は顔を煌めかせ、私を部屋に押し入れた。
もう皆が集まっていて、私は空いている床に座る。
「アーヤ、その証拠ってどれだ?」
若武に言われ、私はハンカチから紐を垂らし、これを拾う経緯を話した。
「その男、めちゃくちゃ怪しい。」
「ん、犯人の可能性は高いよ。」
「よし、取っ捕まえてやらぁ!」
皆が口々に言った。
小塚君が私を見る。
「ねぇアーヤ、その紐、見せてくれないかな。カツラだったら、コーティングがしてあるからすぐ
見抜ける。」
へぇ。