探偵チームKZ事件ノート11

葉っぱ天国 > 探偵チームKZ事件ノート > スレ一覧
651:さち◆Ps:2016/08/23(火) 11:42 ID:Q0Y

小説更新するよ〜
前の回>>632

 先生は静かになったのを確かめると、話し出した。
「今日は紹介したい人がいます。入ってきていいよ。」
 数秒後、教室の前の扉がガラッと開き、女の子が出てきた。髪は右耳の近くで一束に結っている。
「今日からこのクラスの仲間になる、柏崎さんです。」
 周りからどよめきの声が上がった。
 私もちょっと意外。
 彼女はチョークを取り、黒板にきれいな、整った字で「柏崎七音」と書いた。
「初めまして。私はカシワザキナナネです。茨城県の櫻南中から来ました。これからよろしくお願いします。」
 七音と名乗った女の子は一礼した。まだザワザワしているクラスに向かって、先生がパンパン、と手をたたいた。
「席は、神野さんの隣です。では出席を取ります……」
 私は出席を取っている合間に、柏崎さんの方をチラッと見た。白人以上、小麦色未満の肌にうっすらと茶色がかかった黒っぽい髪。横にまとめた髪は、ふんわりとしていて、肩で揺れていた。
 翼も来て、柏崎さんも来て。このクラスって恵まれているなぁ、転校生に。
 そのくらいに思っていた。
 この人物が、KZに深く関わることも予想せずに、ね。


さち◆Ps:2016/08/23(火) 15:30 ID:Q0Y [返信]

小説更新!
前回

2.アプリ

 その放課後もいつも通り、一旦家に戻った。
「ただいまー。」
「おかえりー。」
 私はそそくさと手を洗いに言った。
 私、潔癖症で、帰ってきたら手を洗わないと気がすまない。
 だって、手に知らない人のばい菌がうじゃうじゃしているのって、気持ち悪い。
 手を洗って洗面所を出ると、電話の呼び出し音がなり始めた。
「あら、電話だわ。彩がお願い。ちょっと手が離せないの。」
 ママが言うが早いか、私は電話機に駆けつけた。
 電話機のところまで行って番号表示のウィンドウを見ると、そこには見慣れた番号が光っていた。
 小塚君が、家からかけてきていたんだ。
 きっとKZの集合の知らせに違いない。
 私の胸が躍った。
「はい、彩です。」
「僕だよ。若武から連絡で、今日の秀明の休み時間にカフェテリアに集合だって。」
 やった!
 期待で胸が高まる。
「何?事件?それともアプリ開発の…」
 今、私たちKZは経費の問題に直面している。
 私は記録係だから、皆に配るコピーやノート代は、自分で出している。
 調査地に行く時の交通費とかも、ね。
 黒木君なんかは、「赤い仮面は知っている」の中でタクシーチケットをみんなに渡したこともあったから、大変なんじゃないかと思う。
 だから、KZではアプリ開発をしてお金を集めようと思っているんだ。
「うん。」
 当たり!
「七鬼とは妖怪パソコンで話すって若武が言ってるから、アーヤは妖怪パソコンをよろしく。」
「分かった。連絡ありがとう。」
 私はそう言うと、電話を切った。


全部 <前100 次100> キーワード