探偵チームKZ事件ノート11

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829:さち◆Ps:2016/09/01(木) 16:45 ID:Q0Y

続き書くにゃん!

そこに、若武が割りこんで来た。
「ちょっと貸せよ。俺、それもっと間近で見たい。」
「えっ、何で……」
 若武が両手で、柏崎さんの腕から奪い取るようにしてオルゴールに手をかけた。けれど、柏崎さんも踏ん張る。
「いやだ、何でっ」
 翼がいらだった感じで言った。
「若武、何やってんだよっ」
 その時。柏崎さんと若武が少し手を緩めたらしく、オルゴールは真っ逆さまに床へっ!
 柏崎さんが息をのんだ。
「ちょっとっ!」
 若武が落ちたオルゴールを拾い、ほこりをはらう。
「すまん。少し音楽だけ聞きたかったんだ。」
「……いいけど。流して。」
 若武はネジを巻き、蓋を開けた。
「んっ!?」
「えっ!!」
 小塚君と私が声をあげたのは、ほぼ同時。
 黒木君、上杉君、翼、若武、柏崎さんも驚いた顔をしていた。
 なぜなら。
 
 美しく青きドナウと似ているけれど、同じようで違う曲が流れたから!

「これは、大事件になりそうだぜ。」
 若武が、不敵な笑みを浮かべた。
「はぁ?根拠もないのに何言ってんだよ。」
 上杉君が顔をしかめた。
 確かに、若武は突拍子のないことを言う。でも、当たることが多いんだよね、若武の予想って。
 でも、それを口に出して言うと、若武は調子に乗る。
『俺、モッてるから!』
 って、ね。
「……かもしれない。1つのオルゴールに2つ、香箱とシリンダー、ガバナ、振動板、フレームをいりれることってあまりないと思う。」
 翼の言葉に、私は思わずきょとんとしてしまった。
「香箱とシリンダー、ガバナ、振動板、フレームっていうのは、オルゴールの中にある部品。音を出すのにいる。」
 黒木君が説明してくれた。
 じゃあ、何か意図的に、1つのオルゴールに2組、音を出すのにいる部品を入れたってこと?
「そうかもしれない。若武は予想したことが当たる確率、すごいからね。これまでに、それで事件を解決したことは何度もある。」
 その言葉に、若武が気分を良くしたみたいだった。
「ほらな、黒木も言ってる。しかも、『確率』って言ったぞ。上杉、これはお前の得意分野、数学にもよく出てくるはずだ。」
 ああ、若武劇場が始まるっ!
 若武は皆が言うように、人をそそのかす名人。人を時に怒らせ、泣かせ、笑わせて、人の行動を自分の思うように持っていく。初めは(あ、また始まった)と思っていても、だんだん心が操られ、最終的には若武の話を信じきってしまう。これを、私たちは『若武劇場』と呼ばれている。ここから、若武は将来の職業は詐欺師がぴったり、と言われるようになったんだ。
「知ってるよな。俺は、その勘で事件を解決してきたんだ。上杉、北原美麗のこと、覚えてるよな。東条渚も。あの事件で上杉、あんたの心を救ったのは、この俺の勘なんだ。」
 若武が額をつついて、『俺の勘』という言葉を強調した。
「俺が、裏調査を勘で勧めたから、お前は立ち直れたんだ。どうだ、これでも俺の勘が当てになんないと言うか?」
 かなり上から目線に言われたけれど、上杉君はため息をつきながら渋々頷いた。
「もう、いい。あんたには何言ってもかわんねーもん。」
 ああ、丸めこまれた……。国語担当の私にとって、若武の発言は、もう、無茶苦茶。
 上杉君でも、詐欺師若武には勝てなかったみたい。
「よし、諸君!もう、予鈴が鳴る。そこで、だ。柏崎、このオルゴール、小塚に貸してもいいか。」
「いいけど。分解とかしないでよ。音が鳴らなくなったら嫌だから。」
「……ということで、小塚調査員。オルゴールの中身を調べろ。音を出す部分が2つあるかどうか。それと、記録係。このこと……事件とはまだ言えないが、一応ノートに記録してくれ。では諸君。健闘をいのる!」
 私と翼と柏崎さんと小塚君は、若武のまたしても無茶苦茶な発言に、ため息を漏らした。
「まあ、黒木も若武の勘に頼ってるしね……」
「黒木って、このKZの中で一番大人びてるし。ぶっちゃけ、黒木が言うなら……調べるよ、って感じ。」
「しょうがないよね。私もオルゴール、どういうことになってるのか知りたいし。」
 そうだよねえ。


コアラ◆ak:2016/09/01(木) 23:37 ID:C4E [返信]

(ここでまとめて)了解!
>>829
すごっ!例えば
若武劇場で上杉君にたいしての
例え方とか。
よく思い付いたよね〜!羨ましい…
でも、「私たちは『若武劇場』と呼ばれている」って読んでて[ん?]って
思っちゃったんだ…、ごめんね!
本気の感想述べるなよって感じだよね
>>832
(これもまとめて)りょーかい!
小説待ってるね(^^)/


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