>>20の続き
6.姫?
「景子、なこちん連れて行って。」
どこへ行くつもり?
ママは知っているの?
まさか、拉致っ?
それとも、人質っ?
もしかしたら、誘拐っ?
「なこちん、行こう。これで、何もかもリセットになるよ。ちょっと待ってね。」
景子さんはそう言うと、携帯を取り出して、電話をかけた。
スマホ、DIYしてある。
キラキラなデコストーン付いてるし!
「よし。さあ、奈子姫、参りましょう。真理子姫はどうします?」
ひ、姫っ?
奈子姫、真理子姫、、、。
どういうことなの?
奈子はお姫様なの?
「私も行くわ。じゃあ、立花。ごきげんよう。景子、ドレスを、奈子のと私の、至急準備して。」
ドレスっ?
私、夢見てるの?
頬っぺたをペシペシ叩いたけど、痛みが残るだけ。
佐田さんを呼び止めようとしたけど、もういなかった。
…家に帰ろう!
急いでドアを開けて、リビングに入る。手も洗わずに。
「ねえ、ママ。」
ママは、いつも通りダラダラし、奈子のことは気にもかけてない。
もう、駄目でしょっ!
「奈子は?」
ママが、ビクッっと反応する。
何かあるぞ?
ムムム、なんだ!
「奈子に用があるの。」
ないけど。
ママ、奈子はどこにいるのっ?
「奈子って誰のこと?知らないわね。ああ、奈子と言えば。ここの家に奈子って子がいたでしょ?その子、佐田真奈子って子になったって。」
佐田、真奈子?