>>30の続き
12.驚きの理由
「高畑衣織、当時13歳。にじクロの元リーダー、高畑美織が殺されたの。にじクロは6人グループだったのに。水原信吾は、高畑衣織を殺した。娘の景子は、からかわれている。と。」
やっぱり、景子さんも大変なんだね。
でも、どうして水原信吾は、高畑衣織を殺したんだろう。
「これくらいしか言えないわ。」
う〜ん。
かなり分かるようになってきたけど、これ、本当に大きくなってるよ。
奈子を文房具屋で見付けたことから、こんなに大きくなるなんて…。
「今日は、もう解散にするか。百合奈ちゃん、ののちゃん、冬実ちゃん、来てくれてありがとう。解散っ!」
* * *
ドアを開けると、いつもの席にみんなが座っていた。
私もそこに座る。
若武は自分の指を絡め、身を乗り出して言った。
「諸君、昨日は集まってくれてありがとう。特別に、上杉と黒木が、自らの調査を試みた。手を拝借。」
みんなが手を叩く。
若武は気分良さそうに笑い、続けた。
「上杉、黒木の順に報告を頼む。」
上杉君に報告のバトンが来て、上杉君が前のめりになる。
すると、みんなも前のめりになる。
「俺は、高畑衣織殺害事件のことを調べた。水原信吾が殺したのは間違いない。だが、驚くことが分かった。」
何それ、ゾクゾクっ!
「水原信吾が殺した理由は、娘の景子のためと言うことだ。高畑衣織は、秀才だった。水原景子と同じ中学校で、水原景子は毎回総合順位が2位だったんだ。それに怒った母親は、水原景子を虐待する。それに怒った水原信吾は、高畑衣織を殺害した。ということだそうだ。以上。」
へえ。
なんか、上杉君っぽい。
っていうか、どうやって一晩で調べたのっ?