>>42の続き
16.水原景子がいる!
「あれ、水原景子じゃない?にじクロの、水原沙也花だよ!」
小塚君が小さな声で言う。
みんなが小塚君の視線の先、秀明生が入ってきたカフェテリアのドアに視線を流す。
すると、カフェテリアのドアの向こう、つまり、廊下を水原沙也花ーーー水原景子が歩いていた。
「俺、水原景子を追跡する。お前らは帰れ。補助で、黒木。来い。上杉は、アーヤを送れ。以上。黒木、行くぞ。じゃあな。」
…。
えっ!?
水原景子を追うの!?
どうしよう。
行きたいけど、行きたくない。
だって、怒られたくないし、明日は学校でテストがあるんだもの。
学力が低下するのは、早く寝ないからっていうのと、勉強不足。
部屋には問題集が散らかってたけど、もう全部埋めたもの。
あとは早く寝るだけ。
だけど…。
「面白くなってきたな。若武と黒木を追うぞ。」
翼が鼻で笑って言い、みんなの目が活気づいた瞳になった。
みんなキラキラしてて、素敵。
きっと、私も。
「アーヤ、早くいくよ。水原景子を追おうよ。あ、難しい?」
小塚君が心配してくれたけど、大丈夫だよね。
口実は、勉強を余分に塾でやったからって言う。
心には、社会のためって言おう。
そしたら、東大が目前かもっ!
東大のため、社会のため、みんなのために、頑張るぞっ!