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5,元・クラスメイト?!【彩side】
行き先は遊園地に決まり、支度もし、さあ出かけよう!というところでなんと若武から電話が。
出ないわけにもいかず、若武をあまり気に入っておらず嫌そうな顔をしているママから渋々受話器を受け取る。
「もしもし」
「アーヤかっ?!昨日無視しただろ!」
いきなりそれですか…ていうか、耳痛いです。
「別に無視したわけじゃないよ」
「じゃあ何なんだっ」
うるさい。普通のボリュームで話せばいいのに、もう。
「まだー?てか、誰から?昨日のひと?」
すると急に背後からレーアの手がにゅっと伸びてきて、抵抗する間もなく受話器を取り上げられた。
「ちょっとレーア!」
「もしもしー?」
レーアは私の制止を無視し、受話器を耳に当てた。
「あ、初めましてー!…ん?若武?…って、もしかして、」
やっぱり知ってるんだ、若武のこと。
ここら辺では有名なの知ってたけど、レーアまで知ってるとは。
レーアは今ちょっと離れたところに住んでるけど、そっちでも知ってるひとがいるくらいKZってすごいんだね。
ああ、でもこの電話でレーアの若武の印象もだいぶ変わるだろうなあ。
口を開かなければ若武もカッコいいんだけど。
そんなことを一人で考え真っ赤になっていた私の耳に、意外な単語が飛び込んできた。
「…もしかして、一中の若武?私、渡瀬(わたせ)だよ!渡瀬鈴空!」
え、なんで『KZの若武』じゃなくて『一中の若武』なの?
まさか…レーアと若武って知り合い?!
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>>72-76に1話~5話、>>96に6話、>>97にちょこっと解説(的なもの)、>>118に7話があります。