前>>12 切ることになっちゃってごめんなさい
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「ただいま〜!!」
「おかえりなさい、お姉ちゃん!」
奈子がおやつを食べながら話しかけてきた。
「あのね〜 今日ね〜智君が今日の髪飾り可愛いねって言ってくれたんだ〜!」
笑顔でそう話してくれた奈子の両手にはクッキーが1つづつ。
口の中にもクッキーが入っていて、嬉しそうにモゴモゴと動いている。
奈子の今日の髪飾りは少し前に買った、ソーダの様な透き通った水色の、パールが飾りでついているリボンのデザインのもの。
立体っぽく、でもモコモコした質感のリボンが奈子は大層気に入ったらしく、お母さんに駄々をこねて買ってもらったらしい。その前日はクリームパンと一緒に寝てクリームパンを潰してシーツが大惨事になっていたから、お母さんはまた同じことをされたらたまらないと思って買ったと言っていた。奈子の茶色の艶のある髪に良く似合うデザインで、私も少し羨ましいと思ってしまったほどである。
それくらい奈子に良く似合うデザインの髪飾りなんだから、智之がそれに気づかないわけが無いけど、まあ気づかなかったとしても女心をわかっていないなあ、位の話である。奈子は同年代の子と比べても髪飾りを多く持っている方だし、新しいということ、そして似合うこともきちんと言える智之は、奈子が付けている髪飾りを全て覚えているのかもしれない。
「私もその髪飾りは奈子によく似合っていると思うよ。」
奈子に貰ったクッキーを片手に、塾に行く準備を進める。お弁当を持って、教科書を入れて、今日はKZの集合があるからノートを持って。
「行ってきまーす!」
有名な異世界トリップの一つ
朝扉を開けたら、前日の夜に名前を書いて扉に貼っておいた世界に行けるというもの
満月の日から、次の満月の日まで祈り続けるというもの
今日は、雲ひとつない空に大きな月がぷっかりと、まるで穴が空いているかのように光っていて
なんだか、月が不気味に見えて
扉を開けた瞬間、そこに広がる世界は___
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6月13日の金曜日は、一応2014年の6月13日にありました。
そこから満月の話は書いている時に思いついて調べたんだけど、奇跡的に満月だったので2014年はもう変更はしません! 日にちにも意味含ませてます! トリップするまでが長くてめんどくさくなったのでぶっちんしました!!! ごめんなさい!
書くの忘れてたごめんなさい〜!! やる気出てないから忘れ続くかも! 機種変したから追加お願いします〜 そして今気づいたけど琥珀追加し忘れてた〜 後でします〜
おつありです〜!
世界観好き〜? よかった〜! 不気味さ押し押しで書いたからふあんだったのよ〜!
ありがとう! ばっちばちの不定期更新でごめんなさい! 書きたくなった時に書くので期待はなさらずに……
>>15
ありあり〜!
日にちにもこだわったの初めてだったけどこれいいね〜 オススメする〜
智君は黒木君のイメージです……そちらは誰なイメージでしょうか……???
舐め回すで吹いた。ありがとう!
>>16-17
私もまとめますごめんなさい〜 ぜひはいってくださいな! 璃空(りく)ってよんでください〜 呼びタメ大歓迎です〜
前>>13
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上杉side
「上杉〜!」
「上杉」
小塚と黒木に呼び止められて振り返る。
三人で揃って秀明の廊下を歩く。階段をくだる、駅まで歩く。
視線の先にある空に、不気味だと思ってしまうほど、周りに星もないのに、一つだけ月が浮かんでいる。
一番星はまだ出ていない。そういう訳ではなく、月だけが浮かんでいる、下手くそがプログラミングしたゲームのような浮かび方。
そして満月だと言うのだから、不気味さも増す。
満月はひと月に一回。とよく言われるが、実際には満月はひと月に一度ではなく、29.27日〜29.83日の間でなる。で、平均して29.53日。月や地球の公転軌道が円でなく楕円だから、幅のある数値となる。ちなみに次の満月は7月の12日だ。ちなみに2月1が満月だった1番近い年は1999年。次の満月になる年は2018年だ。(2020年10月2日は満月だったらしいですが皆様見ましたか?? 私はもちろん見てません。見てたらドヤってます。)
歴代の武将も、新月の明かりがない状態で戦に出たり、逆に満月の日に戦に出て首を撮って帰ってきたりもしている。昔から、月は何かしらの事を起こすものなのだということだと思う。
月や地球、他の惑星、それと恒星も、完全な球のものはまずない。極方向より赤道方向がやや膨らんでいて、極端に言うとラグビーボールの形だ。。月の場合は赤道方向がわずかにしか膨らんでいないからまん丸く見える。地球も赤道部分がやや膨らんでいる。
月も地球も、完全なものでは無い、どこか歪んだ存在だ。
そう思って月をじっと眺めていたら、数字が見えなくなったあの時のように、視界がだんだん薄れてきた。
水晶体の、手術をしたことを思い出す。少し冷や汗を書いた気がした。
そう言えば、水晶体もラグビーボールのような形をしているらしい。なんて、呑気なことを考えているうちに、どんどん意識も薄れてきた。
黒木と小塚がどこにいるかも分からない。若武のような声が聞こえた。その声がほんとに聞こえたのか、空耳なのかも分からないし、四方八方どこから聞こえたかもわからない。
どんどん五感が薄れていく中で、頼りになるものもなく、ただひとりげに、意識を手放した。