「 とりあえずコンビニでも探しますかねぇ 」
都会から離れて落ち着いたのだろうか。いつものように口許は隠しているが、少しだけ、微笑んだ彼女をみて小さく頷く。駅を降りてホームで小さくのびをする。そのまま二人で、相変わらず手を繋ぎながら歩く。手を離そうとすると、露骨に嫌な顔をするものだから、思わず笑みを溢しながらそっと握る。あっと小さな声をあげた彼女の方を見れば、小さなコンビニがあった。中を見れば人も少なく、従業員も一人しかいない。入ろうと目配せすれば小さく頷く彼女。繋いでた手を離し、各々必要なものを買う。
ふっと雑誌コーナーに目を映せば、うちの高校の名前と、制服をきた少女の写真が。見出しを見れば『 何者かに突き飛ばされ、16歳の少女意識不明の重大 』と書かれていた。思わず眉を潜めながらその記事が書かれた雑誌を奥へと押しやる。
悪いのは、彼女だけじゃない。そんな思いを吐き出しそうになりながら、レジへと向かい、会計を済ませ、再びとりとめめなく、海へと歩いてく。お金はないから、さっきまで乗っていた線路の上を二人で歩きながら。
「 なぁ、人間観察が趣味……なんだよな? 」
そんな事を問いかけると不思議そうに首を傾げる彼女。えぇ、まぁと曖昧な返事をする彼女にずっと、幼い頃から思ってた綺麗事を尋ねる。
「 小さい頃、俺、凄いヒーローが好きだったんだ。……かっこよくて、優しくて、誰にでも好かれてて。もしそんな彼らがいたら、こんな汚く、汚れた俺たちも、救ってくれたのかな 」
何を言ってるんだと自分でも思う。やっぱさっきのは気にするなと声をかけようと思い口を開くと、真っ直ぐに前を見つめながら、足元の線路のレールを蹴飛ばしつつ、少し眩しそうに太陽を睨みながら、彼女は言葉を紡ぐ。
「 そんな夢ならわたしも見たことはありますよ。……でも、まやかしだったんです。そんな夢を捨てて、現実をみたら、シアワセっていう四文字もなかったんです 」
ずっと、前を向いていた彼女はくるりと振り返り、泣きそうな表情をこらえ、ぐっと唇を噛み締めながら、更に言葉を発する。その言葉は、殺した彼女に言ったのか、俺に言ったのか、自分自身に言ったのか。分からなかったけど。
「 ………っ、自分は何も悪くねぇと、誰もがきっと思ってる 」
妹様、すみません、金を盗むシーンこの前に入れると解釈がうっってなったので、盗めませんでした( どげざ )
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