Q.初恋の人は?
A.「こんなこと、言っていいのかな?それとももう時効かな。もう二度とこのことは話さないから、よく聞いてね。僕って幽霊が見えるんだよね。悪い霊も良い霊も全部全部見えるんだ。みんなそんなもの見えないって、お前のほうが可笑しいって言うんだけど、確かに其処に“存在”しているんだよ。——けれど、僕には唯一会うことの出来ない霊がいるんだ。それは中学生の頃に亡くなった女の子の霊。クラスが同じだったんだけど、明るくて素直で勉強も運動も出来て、まあ所謂完璧すぎる素敵な子だった。そんな彼女は何もかもパッとしない僕にも勉強を教えてくれたり、役割を手伝ってくれたり...って色々な手助けをしてくれたんだ。そして帰り道がたまたま同じ方面だったんだ、行事や部活のない日は一緒に帰ってた。そんな関係だったけれど、付き合ってはいなかった。...後から聞いた話だと彼女は僕のことが事が好きだったんだって。僕も彼女のことが好きだった。これが僕の初恋だよ。さあ、本題に入ろうか?いつもの道をいつもの時間にいつも通り帰っていたら、向かいの道路に小さなダンボールがぽつんと置き去りにされててさ。僕は捨て犬かな?と思って横に居た彼女に「ねえ、あれってさ」ってダンボールを指差しながら問いかけたんだけど、口より先に体が動いちゃったみたいで走って覗きに行ったんだ。向かいの道路だから車道を通ることになるんだよね。...その時に飲酒運転をしていたおじさんが彼女を目掛けて、車で突っ込んたんだ。僕はそこに茫然と立ち尽くすことしか出来なかった。動くことなんて出来っこなかったんだよ。今でも鮮明に思い出せるのは車体に飛び散ってアスファルトに広がる赤い赤い赤。そのまま僕は泣き崩れてどっかに連れていかれた。きっと病院だろうね。彼女に張り巡らされたどれがどれだか分からない線と直視できない様な傷跡にしか目がいかなかった。勿論即死だった。僕は生きていいのか不安になった。あれだけ僕に親切にしてくれて優しくしてくれた彼女を守ることが出来なかった僕は、声も出せなかった僕は、立ち尽くしたままだった僕は、なんて考え出してさ。その時初めて僕は死のうとした、止められた。僕は最後に何よりも、“君が好きだった”と伝えたかった。だから僕は、受験の勉強をしに行くと嘘をついて図書館に篭もりきって彼女にもう一度会う方法を探した。その果てに辿り着いたものが霊能力というものだった。ものすごく非現実的で信じ難いと思ったけど、もしそれで彼女と会えるならって本に書かれたことを一通りやってみたんだ。何回か挑戦するうちにさ、見えてきたんだよ。けど彼女はいくら挑戦しても、なかなか見えないんだ。一瞬だけ見えたとしても、ひどい頭痛が襲ってきて、喋れなければ声も出なくなるんだ。だからまだ伝えることが出来てない、初恋の行方もわからない。でも見える様になりたい、それを繰り返して居たら自然とみんなが見えないはずの幽霊が見えるようになったんだよ。今の僕がいるのは彼女のおかげだ。何年かかっても良いからもし彼女と話せるなら——僕は君のことが好きだって胸を張って伝えたい。長々と語ってしまったね、これが僕の初恋だよ。」
>>222、これ矛盾生まれてるな
2017年のやつ引っ張り出したからしゃあないけど
手直しする気になれないのでいつかやる