正邪 「………!!? くそッ!こんなところまで……!! …………って、ん?」 声が聞こえて来ると、まさかこんなところにまで鬼の連中が追いかけて来たのかと思い、口で止血するために用意した紐を固く締めながら、慌てて声のした方に向かって右手を翳す。だが、そこにあったのは鬼の頭でも胸でも無く、思わず頭の上に疑問符が浮かぶ。