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14:スパイク:2013/04/10(水) 23:09 ID:QdU



 そして、どんどんこの部の部員は減って行った。
バドミントンは下手くそなものの、片付けや雑用を自分から進んでやっていた私は、自然と
先輩からも認められるようになり、教えてくれる先輩も多くなった。

 だけど、こんなに部員が少ないんじゃ仕方が無い。元から人数が少なすぎて問題だったのに
先輩が酷い事してくれるから、廃部ということになったんじゃないか。

 それに、私は戦力にならない。いや、本番に弱いのだ。
ラケットを握る腕に力が入らない。

 何かあったという訳ではない。トラウマも無いのに、気が弱いから試合に望めないのだ。
原因は分からない。 もともと運動神経が無いのが引き金となっているのだと予測はつくのだが。

 そしてかれこれあって、現在に至る訳だ。



「どういうことって……人数が少ないからに決まってるでしょう?」
「廃部にならない方法はないんですか!?」

 私は真剣だった。だけど、先輩は真面目に聞いてくれなくて、私に顔を向けやしない。
噂で聞いた。バドミントン部に入ったのは、顧問の先生が自分のクラスの担任だったからって。
その先生は、子供が生まれるそうで育児休暇を取ったってことも。

 だから、不必要な部だからって、適当にやっているとも聞いた。
部長がこんな調子じゃしょうがないよね。 でも、諦めたくなかった。私は下手だけど
続けたかったんだ。

「廃部にならない方法ねー。全国大会にでも出場することかしら? まあ、そうしたら少しは
 有名になって、部員も入ってくれるんじゃなーい」

 適当すぎだ。こんなに意地悪な人間は見た事無いぞ!!
……と、心の中で叫んでみた。

 私のクラスに唯一の1年バドミントン部の女の子が居る。その子と一緒に出場してみようかと
本気で思った。   

 大会に。

 いつか入ってくる、バドミントンが好きな後輩達のためになら出来る気がした。
私は、生まれて初めて何かに挑戦しようと考えた。

 私は先輩に軽く頭を下げて、3年生のクラスを出た。


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