「ああ煩いぞ、馬場。一回呼べば分かる。今、出席取ってるんだ。分かるだろ?」
馬場、声を張り上げたことを後悔したように俯く。
「話があるなら、終わってからにしろ」
「・・・。はい」
先生、点呼に戻る。
「どこまでいったかな・・・。原口、本間、由利、横須賀っと。
じゃあ・・・今日も欠席は石田だけだな。」
先生は、一度も石田のことを『不登校』とは言わなかった。
「それじゃあ馬場、なんだ?話って」
「・・・やっぱり、いいです」
「なんだよ、ハッキリしない奴だな。用事あるんだろ?え?」
馬場、答えない。
「・・・まあいい。じゃあ、今日は教科書37ページだったな。えーっと、岡。最初から読んでみろ」