Non Title -A- 「禁忌」

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7:霧雨 ◆Wd0o:2013/04/07(日) 18:28 ID:TKQ

生徒たちは、『星とたんぽぽ』の音読を冷めた目で見守る。

先生の授業を、先生本人以上に真剣に受けている者は、
本間を除くと、1年の中旬までしか学校に来なかった石田だけだった。

先生は、生徒達の真剣さの欠如に気付いていたが、親達のクレームを浴びせられると思うと、妙に生徒たちを刺激することなど出来なかった。

「はい、今の詩を聞いた感想、誰かに発表してもらうぞ」

「先生、俺!」
岡は、いち早く反応した。本間にいい所を見せたい一心で。

「そうだな、岡。挽回のチャンスだ。」

だが・・・岡は、こういうシチュエーションは本当は苦手だった。どうせなら、深いコトを発言したいのに、頭は真っ白。

『・・・考えろ、俺。気合だ!本間ちゃんに感動してもらうんだっ!!』
そして・・・
「ほ、星とたんぽぽのチョイスが!っ金子みすずらしいと思いました!」

・・・・・・くすくす・・・・・・うふふ・・・・・・。

クラスからは、笑い声が聞こえる。しかし、岡だけはマジだった。

「・・・」
本間は、下を向いて震えていた。あまりにシュールな回答に、ほとんどの人が抱腹しそうな勢いだ。本間も例外ではない。

先生は、苦笑していた。
「あのなあ・・・岡。もっと、こう、あんだろ?別の言い方がよ。一応授業なんだから」

「え・・・あ、さーせん」
『俺、どっかミスった・・・?』岡は、立候補したことには後悔もせず、どこを反省すべきかだけを必死に悩んでいた。


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