-実夜梨side-
目が覚めると、私の視界には真っ白な天井が広がっていた。
えぇっと?ここはどこだっけ。ていうか私は何をしてたんだ?
「実夜っ!」
「え?」
「起きたのね、よかったわ。」
「歌歩と結花・・・?」
声を聞いてすぐにわかった。
私は起き上ろうとして、出来なかった。力が全く入らない。なんでだ?
「あぁ、まだ起きちゃだめよ。寝てなさい。」
と、結花が言ったかと思うと、ガチャッと扉を開閉する音がした。
「あら、実夜梨ちゃん起きたのね。」
「オバサン・・・?ということはここ、翔君の家?」
声的にはオバサンで間違いないだろう。そしてオバサンがいるのは翔君の家しかない。
でもなんで私は翔君の家で寝てるんだろう。
「そうよ。」
「歌歩ちゃん、結花ちゃん、オバサン買い物に行ってきてもいいかしら?」
「いいですよっ!」
「その間実夜梨はお任せください。」
と、再び扉の開く音と閉まる音がした。
「あの、なにが起きてるわけ?」
「今日熱があるのに学校来たでしょ!ダメじゃんっ」
「なんで知ってんの?」
「倒れた原因が熱があったからよ。」
嘘でしょ・・・。私は呆然とした。
倒れて夏があるってバレるくらいなら初めっから学校行かなきゃよかった。ちくしょう。
「今日一日は寝てる事ね。私、そろそろピアノだし帰らなくちゃ・・・。」
「あっ!!私今日妹の勉強教える約束してたんだった!」
「いいよ、二人とも。今日はありがとう。」
その後、二人は申し訳なさそうに帰って行った二人を玄関まで見送った。
別に良いのに。悪いのは私なんだし。
重い体を引きづって部屋に入ると、自分のカバンが目に付いた。
あぁ・・・。落書きされたノート捨てなきゃなぁ。でもここは翔君の家だし、捨てたらバレるよね?明日学校に持って行って捨てようっと。
私は落書きをされたノートをそのまま放置してしまった。
捨てればよかった、と後悔するとは知らずに。
誤字↓
× 倒れて夏があるってバレるくらい・・・
〇 倒れて熱があるってバレるくらい・・・
でした、すみません!