『星華オーヴェスト中高学園』・・・そこはお金持ちだけが入園を許される、いわば天国。
そんな学園に、私が入園しようとしている。
「はじめまして、綺秋 実夜梨です。よろしくお願いします」
中学生2ーB組は私を見てザワザワしている。
こういうフインキが苦手な私はどうしていいかわからず固まってしまっていた。
「はーい、静かに!!いい?みんな仲良く出来るわよね?」
「できる!!」
「え、ちょ、可愛い!!」
「ちっちゃーい」
様々な声が聞こえてくる。
「綺秋さん、席はあそこよ」
「あ、はい・・・」
教室の窓側の一番後ろだった。ざわつくみんなを横切り、席に座った。
席に座ると茶髪のフェーブかかった女の子が話しかけてきた。
「よろしく。私は新島 水音よ」
「よろしくお願いします・・・」
「ふーん・・・。ま、私の方が可愛いわ」
なんだ、この女の子は。
新島さんの第一印象が悪くなったと思っていると、先生が口を開いた。
「あ、別に気にしなくてもいいことだけれど、理事長の娘様だから変な真似はしないようにね?」
「「「えーーーーーーーー!?!?」」」
教室に今日一番の叫び声が上がる。
私はうっかり耳を塞いでしまった。
「せ、先生!!そんなこと言わなくても・・・」