ニセモノドウシ。

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4:ちあ@ ◆NLsI:2014/02/18(火) 17:25 ID:zME







でもその優しさらしきものに惹かれる女子が多いのも事実らしい。
たまに呼び出しを食らってるのを見る。
全部断ってるみたいだけど。
ふと窓の外を見ると、
手をつないで歩いている男女の姿がある。






「……ねぇ、浦田?」






先ほど「字が汚い」宣言をされたので
一度全部消して白紙の自分の反省欄とシャーペンの先っぽに目線を移しつぶやくように声をかける。
浦田が反省を書いていた時の私のように
オレンジ色の校庭を見つめていた浦田が「ん?」と返事をした。
その顔は、多分他の男子より格好いい。






黒髪なのに厳しい印象にならないのは顔が華やかだからだろう。
切れ長の目。瞳は真っ黒で引き込まれそうな色。
高めの鼻は存在感を主張。
不思議そうに端を曲げた唇は薄く綺麗。
整いを隠せない顔を締めくくるのはこれまた綺麗な輪郭。
この顔にお熱になる女子の気持ちもわからなくもない。






「なに?明希」





名前を呼んだっきり黙り込んだ私の顔を覗き込む浦田。
整った顔が近くにある。
不覚にもそれにときめく。
もちろん、恋愛感情は抜きとして。






「んー…、あのさ、浦田。
 恋ってどんな感じなんだろうね。
 付き合うってどんな感じなんだろうね」






「はっ?」






ふと湧いて出た疑問を浦田にぶつけてみたけど
やっぱりわからないと思う。
だってコイツだって自称初恋がまだの人間だし。
聞く相手を間違ったと思い、この話を振ったことを謝ろうと口を開く。






「ごめん、浦田にもわからんよね。こんなこと聞いて、ごめ――」






「――わからないんなら、俺とちゃんと付き合ってみる?」


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