カタカタカタカタ
「咲ー!ほらっ遅刻するわよ!降りてきなさい、咲!」
カタカタカタカタ
扉を蹴り付ける音がする。と同時に部屋に明かりがつく。
「またパソコンいじって!没収しますからね!ホラ!よこしなさい!」
一度は咲も母の方を見たが、目を見開いて、再びモニターへ向かう。
“インターネットサーバーエラー”
『お前、何した…っ』
「インターネットの線、取ったわよ…学校いけ!!!」
母は咲に怒鳴りつける。
鼓膜が破れるほど大きい声量だった。
隣の家にも聞こえていただろう。
近所迷惑だと思いながらも咲は地面に置いてある人形を手にする。
バァン!
「きゃ…咲!」
『死ね 出て行け出て行け出て行け出て行け出て行け出て行け出て行け』
「しょ、しょ…う、咲…?」
『死ねっつってんだよ』
勢いよく咲は白い壁を叩き付けた。手から血が滲み出る。
白い壁に血痕が残る。
母を追い出し、再びモニターに向かった。