-羽瑠怕side-
私は緊張しながらも笑顔で発言した。
「はじめまして。私は××県++市から来ました、杉村羽瑠怕と言います。
気軽に話しかけてくれると嬉しいです!
これからよろしくお願いします!!」
そして最後に最高の笑み。
大抵これでみんな「コイツは大丈夫だ」と確信するはず。今までもそうだったし。
「じゃあ、杉村さん席は窓側の一番後ろよ。」
「わかりました。」
好感度をあげるための笑顔は先生にも忘れずに。これで先生も安心させる。
私は手で髪を後ろにやると、教室の真ん中を通った。視線が集まる。まぁ別に慣れてるけどね。
そして席についた。
「はじめまして!!ウチ、河内那娘っていうの。よろしくね!!」
目を細めてしまいそうな太陽にも負けない輝きを持った明るい笑顔。
女子からも男子からも好かれそうなサッパリとした性格と人懐っこさ。
そんな彼女に負けないよう私は美しく笑みを浮かべた。
「杉村羽瑠怕といいます。こちらこそよろしくお願いします、河内さん。」
「やだっ、那娘でいいよ!!」
叩かれた。地味に痛いんだけど。
まぁ、彼女の中ではこれもスキンシップのうちなんだろうね。
だから私は微笑みを崩さずにいた。
「じゃあ私も羽瑠怕って呼んでね、那娘。」
那娘は嬉しそうに笑って頷いた。
「じゃー授業始めるよー」
先生が私たちを待っていてくれたみたいで、お互い挨拶を終えると授業を始めた。
うん、まずまずの滑り出しかな。